ドローンがほかの飛行体との衝突を自動回避 「衝突防止自動管制技術」の実証試験に成功 空飛ぶクルマの社会実装を見据えて

株式会社FaroStarは株式会社ACSLの協力のもと、2022年2月2日(水)大阪府大阪市、2月3日(木)広島県福山市において、「非管制区域を飛行する無人航空機と回転翼航空機の安全性を高める衝突防止自動管制技術の実証試験」を実施し、成功したことを発表した。


衝突する可能性を検知すると回避可能なWPを指定

2025年の大阪・関西万博の会場(夢洲)での空飛ぶクルマの輸送サービス(社会実装)を実現するに当たり、万博会場上空や万博会場周辺空域の安全確保(衝突回避)が課題となっている。実証試験では安全確保(衝突回避)にかかる課題解決に向けた自動管制の実効性を検証するため、FaroStarが開発した衝突防止自動管制技術を活用し、離島地域における「空飛ぶクルマ」の活用をイメージし、新たな交通手段としての具体的な利用方法を住民が体験することで、社会的受容性の醸成を図ることを目的としている。

衝突防止自動管制技術は航空機やドローンの飛行情報を取得し、そのデータを基に飛行体同士が衝突する可能性を検知すると、「空飛ぶクルマ」を模擬したドローンに回避可能なWP(ウェイポイント)を指定して自動回避させ、衝突を回避できたと判定すると次のWPに誘導するアルゴリズム。

実証試験は「空飛ぶクルマ」を模擬したドローンが出発地を離陸し、計画飛行により指定の場所へ飛行。計画飛行中にFaroStarの衝突防止自動管制システムからの指示により仮想ドローンの回避行動を行う。回避後は元のルートに戻り、指定の場所に着陸するという内容で実施。

出発地点からドローンが離陸する様子

結果は大阪市、福山市における2か所の実証試験において、計画飛行中のドローンが衝突防止自動管制システムからの指示により仮想ドローンの回避を行うことができた。また、回避後は元の計画飛行に戻り、指定の場所に着陸することができ、安全に飛行することができた、としている。

仮想空間にある障害物をドローンが避けていることを確認

FaroStarVisionアプリで試験状況をリアルタイム配信

回避後、元のルートに戻り着陸する様子

実証実験に用いたACSL製の国産の産業用ドローン「ACSL-PF2」

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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