人機一体が汎用ヒト型重機と高所作業車が連携したド迫力のデモを公開 「零式人機ver2.0」JR西日本と日本信号が開発連携

株式会社人機一体は汎用人型重機「零式人機ver2.0」の稼働デモを2022国際ロボット展の同社ブースで公開した。JR西日本、日本信号と連携して開発を進めている遠隔操作ロボットによる作業システム。

「零式人機ver2.0」(レイシキジンキ)は、電動アクチュエータの大きな力でも緻密にコントロールする人機一体が独自に開発した「力制御技術」や、ロボットの感触を操縦者が感じる「バイラテラル制御技術」を搭載したシステム。

高所作業車に装着した「零式人機ver2.0」は、遠隔操作によって正確に作動する。デモの前には周囲で見ている人が手を振るとそれに応えて手をふっていた。


デモは指示によって高所作業を行う内容で、高所に取り付けたパイプを取り外し、別の場所へと付け替える作業。



最後には高所作業車がアームを高く延ばし、実際の作業を想定した高さで「零式人機ver2.0」を持ち上げた。
その迫力と高さに周囲の観客からは驚きの声が上がっていた。


人機一体とJR西日本、日本信号が共同開発

人機一体の代表取締役社長の金岡博士氏は、立命館大学ロボティクス学科の教員を務めていた時代から20年近くにわたって独自の先端ロボット工学技術を蓄積してきた。これらの先端ロボット工学技術の社会実装を目指して設立した人機一体は、人機プラットフォームという独自のビジネスモデルを構築し、着実に社会実装への準備を進めている。

また、JR 西日本グループは中期経営計画 2022 で「メンテナンスのシステムチェンジ」を掲げ、安全な鉄道・交通サービスの持続的な提供に向けて新しいメンテナンス手法への転換に取り組んでいる。JR西日本グループは人機一体と「機械化・身体能力拡張」という軸でのメンテナンスの高度化も進めるとしており、身体能力拡張によるメンテナンス手法の革新が実現すれば作業効率と安全性が高まるだけでなく、人の労働価値の向上にも繋がるとしている。

もう一社の日本信号は、JR 西日本と既に資本業務提携契約を締結しており、鉄道の安全性のさらなる向上、工事・オペレーション・メンテナンスの効率化およびシステムの全体最適化を図ることを目指している。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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