3Dスキャニングから3DCGコンテンツの企画・制作を行う株式会社CyberHuman Productionsは、株式会社サイバーエージェントが提供する、著名人の「分身」となる公式3DCGモデルを制作・管理し、著名人のデジタルツインをキャスティングするサービス「デジタルツインレーベル」を展開している。そして、トップモデルの冨永愛さんのデジタルツインが三菱地所レジデンス株式会社と直接広告契約を締結したことを発表した。
デジタルヒューマン冨永愛さんはデジタルツイン『SUPER MODEL ROOM』に居住し、ルームツアーをおこなったり、チャットボットでコミュニケーションするなどのPR業務も担当する。
CyberHuman Productionsは、新築分譲マンション「ザ・パークハウス」の仮想空間『SUPER MODEL ROOM』のプロモーション映像において、冨永愛さんのデジタルツイン、およびモデルルームの3DCG制作を担当した。著名人本人ではなく、デジタル空間での活躍の場を広げるデジタルツインとの直接広告契約は、国内で初めて実現する取り組みだという(サイバーエージェント調べ)。
なお、ザ・パークハウス『SUPER MODEL ROOM』プロモーション動画が公開された。
■ザ・パークハウス『SUPER MODEL ROOM』プロモーション動画
デジタルツインの広告起用は異例
コロナ禍で生活者の生活様式や価値観などに大きな変化が生じ、不動産業界では物件内覧のオンライン化が加速している。三菱地所レジデンスでは、顧客が自分らしいライフスタイルを実現し「この住まいで良かった」と感じることができるよう、顧客とつながり、一人ひとりの生活に寄り添っていきたいと考え、様々なオンラインツールの活用に積極的に取り組み、顧客体験を劇的に変革していくことを目指しているという。
一方、サイバーエージェントおよびCyberHuman Productionsは「デジタルツインレーベル」を通し、著名人本人のフィジカル空間における活躍に加え、デジタル空間における著名人のデジタルツイン(デジタルヒューマン)による活躍の場を創出・拡大し、その新しい価値づくりに取り組んでいる。
このような背景のもと、三菱地所レジデンスがサステナブルで環境に優しいライフスタイルを発信する冨永さんの生き方や価値観に共感し、目指すビジョンに相通じるところが多くあるとして広告キャスティングが決定。
三菱地所レジデンスの顧客への想いを共有できるブランドコミュニケーションの一環として両社のコラボレーションが実現した。さらに、広告効果をみながらWebコンテンツや広告クリエイティブの制作・運用ができるデジタルツインの広告起用は他に類を見ず、新しいプロモーション手法として挑戦的な取り組みとしている。
ザ・パークハウス『SUPER MODEL ROOM』について
2022年7月28日(木)にオープンした特設サイトでは、“デジタルツイン”の冨永愛さんが『SUPER MODEL ROOM』の住民として入居している。冨永愛さんはルームツアーの案内人となり「こだわりの暮らし」を紹介していく。ブラウザ内では、解放感のある「リビング」や、快適でシンプルな「キッチン」の他に、計9つの空間を自由に巡ることが可能となっている。
すべての部屋は、現実世界の時間と紐づけられているため、ユーザーは特設サイトを訪れる時間によって、昼や夜で変わる日差しの角度など、変化する部屋の雰囲気を楽しむことができる。また、『SUPER MODEL ROOM』の機能のひとつである、チャットボットではデジタルツインの冨永愛さんに、お気に入りの家具について質問をしたり、コメントの投稿ができる。冨永さんを通して、ユーザー同士のコミュニケーションも可能だ。
デジタルヒューマン技術について
「デジタルツインレーベル」の公式3DCGモデルであるデジタルツインの冨永愛さんは、フォトグラメトリー技術やデジタルヒューマン等CG制作を強みとするCyberHuman Productionsと、株式会社サーバーエージェントのAI技術研究組織「AI Lab」が共に制作をしている。
ザ・パークハウスの仮想空間『SUPER MODEL ROOM』に居住するデジタルツインの冨永愛さんの表現では、ヘアメイクや衣装スタイリングは各プロフェッショナル監修のもと制作をし、「ハレとケ」や季節、時期に応じたスタイルを作り上げた。住居は実際のモデルルームをフォトグラメトリーやレーザースキャンすることで、高い写実性と再現性を実現した。
また、バーチャルカメラによる撮影や、高度なリアルタイム3DツールのUnreal Engineなどを用いて制作することで、広告クリエイティブの制作工数を大幅に削減した。さらにデジタルツイン起用であれば、本人の稼働なく新たな衣装やポージングによる素材の作成が可能となり、広告配信の結果に応じてバーチャルモデルルーム内で何度も撮影ができるなど、柔軟な広告制作と運用が実現できるメリットも大きい。
冨永さんの音声はすべて自動生成
ルームツアーや、チャットボットでコミュニケーションをするデジタルツイン冨永さんの音声は、「AI Lab」が持つAI音声合成技術にて実現され、わずかなニュアンスの違いを表現できる抑揚技術により、本案件全ての音声をコンピュータが自動生成している。
音声生成システムは一般的な話し方の特徴を捉えることを目的に、大多数の音声を独自システムにて集め、機械学習によって作成したベースモデルの上に構築。その結果、冨永さん本人の音声をより効率的に学習し、音声の追加収録をすることなく自然な発話を可能にた。また、リップシンクした映像生成においては、合成された音声データから母音を推定し、発話タイミングにあわせて自動的に自然な口の動きを適用する技術を活用している。
今後も「デジタルツインレーベル」を通じ、新しい価値を生み出す「人のデジタルツイン」の可能性を追求し、デジタル空間だからこそできる表現やクリエイティブとテクノロジーの融合により新しい制作手法を生み出すことで世界に挑戦するとともに、企業の新たなマーケティング活動の拡大に貢献していく考えだ。
冨永愛さんは今回の企画に対してメッセージ動画を寄せている。
■『SUPER MODEL ROOM』冨永愛さん(本物)からのメッセージ