パナソニックコネクト NIST(米国国立標準技術研究所)の顔認証ベンチマークテストで世界1位の評価を獲得
パナソニック コネクト株式会社はNIST(米国国立標準技術研究所)※1の顔認証ベンチマークテスト(NIST FRVT 1:1)において世界1位の評価を獲得したことを発表した。
ベンチマークテストではVision Transformerと呼ばれる最新のディープラーニング技術に独自改良を加えた方式を開発し、経年変化・顔向き・照明変動のある厳しい環境においても高精度に顔認証できる点が評価された。経年変化を含む評価データにおいて本人認証時のエラー率(本人拒否率)0.206パーセント※2という結果が得られ、世界1位の評価獲得につながった。また、顔向き・照明変動を含む評価データにおいても世界最高水準の評価を獲得※3した。これらの結果から同社の顔認証技術は本人確認で求められる厳格性、入退管理で求められるユーザビリティの両方を兼ね備えており、現場に強い技術であると証明された。
※2:Mugshotと呼ばれる評価データの1:1認証における他人受入率10万分の1のときの本人拒否率。
※3:Kioskと呼ばれる評価データで世界5位、Borderと呼ばれる評価データで世界4位。共に1:1認証における他人受入率10万分の1のときの本人拒否率を元にした団体順位。
パナソニックコネクトの顔認証技術について
顔認証の市場規模は2030年には1269億円(同社調べ)に拡大すると予測されている。従来からの強固なセキュリティが求められる現場での利用に加え、人手不足や業務効率化などの課題解決分野が加わり、昨今では新型感染症による非接触のニーズも顕在化し、益々顔認証導入のニーズが高まっている。
パナソニック コネクトは60年以上のカメラ開発の歴史を持ち、約40年以上の映像・画像解析技術の開発を行ってきた。この技術を活用し、カメラの画像処理で培った画像を鮮明にする技術と顔の特徴を学習するディープラーニング技術の応用により、顔認証の技術を磨き、2008年からデジタルカメラLumixのオートフォーカス機能への搭載を始めた。2017年からはパナソニックR&Dセンターシンガポールと共同してNISTのベンチマークテストに取り組み、世界最高水準の評価を継続して取得している。
現在国内7つの空港で209基の顔認証システムが稼働し、日本人の出帰国、外国人の帰国時のパスポート審査に寄与している。民生用途ではオフィスでの利用やアミューズメントパークや各種イベントの入退管理での利用が進んでいる。病院や薬局でのマイナンバーカードの認証に使用する顔認証付きカードリーダーは全国に10万台導入され、6割のシェアを獲得している。幅広い顔認証の利活用を可能とするクラウドサービスにおいても、顔認証を自社システムに組み込んで新たなサービスを提供したい企業に向けて、2019年よりサービスの提供を開始し、現在パートナープログラムの加入企業は114社となった。
技術開発面では1:1※5や1:N※6ではなく、複数の人の顔を1つのカメラで同時に本人認証するM:N技術の開発も進めている。さらには顔認証を活用し、顔情報と本人情報を連携させることで、決済や入退管理、物の受け取り確認など、様々な現場の用途に対応できる統合IDプラットフォームの構築にも着手し、技術開発に加えて、利用者の利便性を更に向上させる取り組みを続けている。
※6「1:N認証」はある顔画像が登録済の複数の人物の中から誰かを特定する認証方式。
パナソニック コネクト株式会社について
パナソニック コネクト株式会社は2022年4月1日、パナソニックグループの事業会社制への移行に伴い発足したB2Bソリューションの中核を担う事業会社。グローバルで約28,500名の従業員を擁し、売上高は9,249億円を計上している。「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパス(企業としての存在意義)として掲げ、製造業100年の知見とソフトウェアを組み合わせたソリューションや高度に差別化されたハードウェアの提供を通じて、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメント分野のユーザーをつなぎ、「現場」をイノベートすることに取り組んでいる。また、人と自然が共存できる豊かな社会・地球の「サステナビリティ」と、一人ひとりが生きがいを感じ、安心安全で幸せに暮らすことができる「ウェルビーイング」の実現を目指している。
パナソニック コネクト株式会社
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。