大規模物流センター『Xフロンティア』佐川急便中継センターに複数社の自動搬送ロボットを導入 不定形の貨物搬送作業を自動化

SGホールディングスグループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」は、佐川急便中継センターの1階にプラスオートメーションの搬送ロボット「JUC-S800R」を、3階にLexxPluss社の自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」を導入した。これまで人手に依存していた不定形貨物搬送オペレーションの大規模な自動化がスタートした。


「Xフロンティア」佐川急便中継センターと課題

Xフロンティアは2020年1月に竣工した佐川急便の大規模な中継センターとグループ各社が使用する倉庫区画、事務所スペース、一部テナントスペースからなる国内最大級の物流施設。中継センターは2層構造で2020年10月に1層目(1・2階)を、2021年1月に2層目(3・4階)の稼働を開始し、中継センターと5階の国際物流拠点・ECプラットフォーム間が搬送機で直接結ばれ、集荷や仕分け・各方面への発送と物流加工をシームレスに行う。

Xフロンティア佐川急便中継センターではベルトコンベア等で構成される自動仕分け機でその9割を処理するが、自動仕分け機に乗らない大型で搬送することができない不定形の荷物は従来通り人の手で仕分けられ、台車で搬送されていた。過去にロボットの導入による自動化を試みたが、24時間絶え間なく荷物と人が行き交う環境下で臨機応変に搬送工程を効率化できるロボットがなく課題を抱えたままだった。


1階に導入されたプラスオートメーションの搬送AMR

プラスオートメーションと佐川急便は上記の課題に対し、「JUC-S800R」5台を実証実験として導入し、ヒトとロボットが同じ動線上で働くというハイブリッドなオペレーションを検証。導入~稼働までの立ち上げは数日で完了し、約2ヶ月という短期での検証により十分活用の目途がついたことから、今回の本導入に至った。今回導入された「JUC-S800R」は12台。Xフロンティア佐川急便中継センター1階フロアでは可動域全面に対しての自動化・省人化が実現し、佐川急便の掲げるシームレスな物流を自動化技術が支える。


【JUC-S800R】 最大積載重量800kg
【搬送AMR “JUC-S800R” の特徴】
JUC-S800R(正式名称:Juck-up Carrier SEER 800 Rotate/ジャック・エス・800・アール)。ジャッキアップ型の汎用自律搬送ロボットで、回転ローター機構搭載により、搬送物を回転させずに自動積み下ろしが可能。

・ガイド不要(SLAM式)で現状のレイアウトを変えずに導入可能
・800kgの重量物を安定搬送可能
・従来のAMR(自律搬送ロボット)に比べ高速マッピングを実現
・LiDAR、各種センサー搭載による障害物検知による自動停止可能
・群制御による大物仕分け可能
・+Aの自社開発WES「+Hub」と接続することで多彩なアプリ連携と機能拡張が可能


3階に導入されたLexxPluss社の自動搬送ロボット

今回導入されたLexxPluss社が提供する「Hybrid-AMR」は、自動運転と同様に自律的に障害物を検知・迂回できるAMR技術(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)と繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV技術(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)を併用できる自動搬送ロボット。

Xフロンティア佐川急便中継センターではHybrid-AMRの基本機能に加え、搬送先の状況にあわせて規則正しく荷物を駐車する「自動整列駐車機能」や、空台車を回収する「空台車回収機能」などの最新機能を実装し、荷物や台車の滞留を軽減する方法で自動搬送システムを導入。また、LexxPluss社の走行管理システム「Konnectt」は日本語を母語としない作業員でも利用可能な言語非依存性のインターフェースや、50台以上のロボットを一括管理する機能を持ち合わせ、ロボットの運用になれていなくてもシンプルな作業のみで現場作業の大規模な自動化が可能。LexxPlussと佐川急便は今後運用中のデータをクラウド上に蓄積・分析することで、更なる搬送効率向上に向けて取り組んでいく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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