ソフトバンクと産総研、次世代デジタルインフラ「超分散コンピューティング基盤」に関する共同研究を推進 イメージ動画を公開

ソフトバンクは国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と共同で、超デジタル社会の実現に向けて次世代デジタルインフラに関する研究開発を開始、次世代デジタルインフラの基になる「超分散コンピューティング基盤」に関する研究を推進していくと発表した。


超デジタル社会に向けて課題の解決や実現に向けての取り組み

ソフトバンクは、超デジタル社会を支える次世代デジタルインフラの担い手へと変革することを目指し、これまでの通信事業の枠組みを超えて、社会や産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進するとともに、デジタル産業の創出やデジタル人材の輩出に貢献することを進めている。

今後、5GやMEC(マルチアクセスコンピューティング)などの技術の進化により、超デジタル社会が到来すると期待されているが、現在は企業・組織ごとのデータ利活用によるデジタル化のみが進んでおり、社会全体の最適化には至っていない。また、現在のクラウドなどのコンピューティング基盤では5G やポスト5Gの特性となる超低遅延や多数同時接続などのデータ処理に必要な機能や性能を提供できていないという課題がある。


これらの課題の解決や超デジタル社会の実現に向けた取り組みの一環として国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)/(f1)超分散コンピューティング技術の開発」の公募に産総研と共同で取り組む「超分散コンピューティング基盤の研究開発」を提案し研究課題として採択。産総研と共同で超分散コンピューティング基盤の超分散処理技術やデータ連携基盤技術に関する研究を開始した。


次世代デジタル基盤の3つの特徴


次世代デジタルインフラのイメージ動画(ソフトバンク公式 ビジネスチャンネルより)

超分散コンピューティング基盤の研究開発の概要

ソフトバンクと産総研が取り組む「超分散コンピューティング基盤の研究開発」の概要については下記の通り。

1:データが広域に分散している環境で、一定の時間内に処理を完了する確度を高める技術
2:現実世界から多種多様かつ大量のデータを取り込み、処理する技術
3:複数の場所から生み出されるデータを一定時間内に安全に連携する技術
4:ポスト5Gを生かす①~③の技術を適切に組み合わせて、提供するモデルの構築と実装
5:研究開発の成果を広く普及させるための戦略の立案と推進

この研究により超分散コンピューティング基盤が実用化することで、企業や組織ごとに分散しているデータを共通の基盤で連携させて、さまざまな分野のデジタル化を実現することが可能になる他、分散した計算資源やネットワーク資源を一体で扱うことで、データを利用したいユーザーの近くで処理するなど、最適な場所で最適なデータ処理を行うことが可能となる。

今後爆発的に増加するであろうデータトラフィックを分散して処理することによって消費電力を抑えることが可能になり、カーボンニュートラルの達成に貢献することも期待できるとしている。

これにより、自動運転の車両データや交通データ、信号データなどの連携によって、AIを活用した予測で交通事故がない社会の実現や、人流データや気象データからの需要予測によって効率的な生産や配送を可能にし、無駄がないサプライチェーンを実現するといったことが期待されるとしている。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム