鈴与の物流センターで自律走行運送ロボットが本格稼働開始 ピッキング作業をアシスト ラピュタロボティクス

鈴与は自社の物流センターにラピュタロボティクスの協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR(Autonomous Mobile Robot)」を導入、本格稼働を開始した。

導入の背景と目的

物流業界は生産年齢人口が減少することによる労働力不足が今後も継続することが予測されており、鈴与においても労働力の確保に対する対策は急務であり、生産性を維持・向上させていくための施策が必要となっている。

その中でも倉庫現場におけるピッキング作業の課題は、作業員確保に加えて、人員の入れ替わりによる生産性低下や、生産性向上のための教育実施や作業経験値を積ませるなど、人材育成を基本とした作業能力の引き上げに多くの時間を費やしており、鈴与はこの課題に対してロボットを用いた人との協働作業を行うことで、ピッキング作業の生産性向上とともに、作業者のスキルに依存しない高い生産性を確保し、顧客に対して安定した作業品質の提供を模索していた。

このような状況のもと、ラピュタロボティクスの協働型自律走行運送ロボット「ラピュタPA-AMR」は汎用性と柔軟性が高く、3PLの事業特性にマッチし、また、AMR導入に際して既存のレイアウト変更も必要ない点が評価された。

「ラピュタPA-AMR」は作業スタッフと協働でピッキングを行い、荷物の搬送の代行とピッキングルートの最適化を図ることで、生産性向上とピッキングスタッフの歩行時間削減を可能とする最新のロボティクスソリューション。

導入においては、省人化に向けた新たな取り組みとして、完全自動化ではなく、人との協働を視野に入れていることが鈴与の狙いとマッチしていることも本格導入至った決め手となった。

AMR導入による作業の流れ

AMR導入による作業の流れは下記の通り。

1:AMRは、複数台のロボットと連携しながら最適なルートを計算し、商品棚まで自律移動する。
2:作業員は、手ぶらでAMRの場所まで移動し、商品を棚からピックし、AMRに乗せる。
3:作業員は、AMRに表示される次のピッキング場所へ移動。
4:AMRは、次のピッキング場所に自律移動し、次の作業員へ指示を出す。

作業員は1〜4の流れでAMRの指示に従い移動・ピックを行うことにより、効率的なピッキング順を理解していなくても正確に、 最適な順路でピッキング作業ができる。

導入により確認できた効果

「ラピュタPA-AMR」の導入により下記の点において効果が確認できたとしている。

1:作業の効率化・標準化
作業者の熟練度によって変動する生産性を標準化し、作業者のレベルに依存せず平均的な生産性が向上。

2:歩数削減による負担軽減
効率的に移動することで作業歩数が削減され、従来使用していた台車の押す/止める作業による肉体的疲労も低減。

3:教育期間の短縮
新人作業者でも、ロボットのナビゲーションに従って直感的に作業を進めることが可能。




今後について

「ラピュタPA-AMR」の本格導入について、鈴与株式会社 取締役 前田弘賀氏は

与株式会社 取締役 前田弘賀 氏

ピッキング作業は倉庫オペレーションの中でも大きなウェイトを占めており、標準化の対象として、当社全体でデジタル化、自動化、機械化を進めています。今回のようなAMRの活用は、ピッキング作業の生産性向上だけでなく、作業員の負担軽減や庫内オペレーション全体のマネジメント力向上につながると期待しています。



とコメントをしている。

今後についてラピュタロボティクスと鈴与は、ラピュタPA-AMRを活用し物流におけるさまざまな課題解決に向けて取り組むとしており、鈴与は物流現場に最先端技術を積極的に導入し、ロボティクスを活用した倉庫業務の最適化を図るとともに、作業員の労働環境改善に取り組み、顧客に高品質な物流サービスを提供するとしている。

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ロボスタ編集部

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