藤田医科大学、川崎重工、SEQSENSEは、医療従事者の負担軽減および業務効率化を目指す取り組みとして、屋内配送向けサービスロボット「FORRO(フォーロ)」を活用した配送サービス を藤田医科大学病院で7月10日より開始した。正式な導入に向けたトライアルとしての運用で、同日から3台のFORROが24時間体制で検体配送や薬剤配送業務に従事する。
トライアルサービスについて
今回開始したトライアルサービスは、実サービスに近い形での業務を通じて、各配送の頻度や量、他医療従事者への影響を確認することにより、今後の藤田医科大学病院におけるサービスロボットのさらなる活用方法について検討していくとしている。
トライアルサービス内容
開始日:2023年7月10日
運用形式:3台(24時間稼働)
ルート:大学病院A棟9階・10階・11階 ⇔ 臨床検査部・薬剤部
ユースケース:検体配送・薬剤搬送
FORROを活用した配送サービスの主な特長
FORROを活用した配送サービスの主な特長は以下の通り。
1:24時間安定稼働
・広範囲をセンシングし、外来患者様が多い日中の混雑時間帯でも安全に走行。また病院特有の環境変化の多さ(ドアの開閉・カートやベッドの有無等)でも確実に走行。
・45分の充電で連続6時間稼働可能。タスクとタスクの間に自動充電し、稼働時間を最大化。
2:簡単導入
・ロボット専用Wi-Fiを設置する必要がないため、初期導入費用を大幅に抑制
・シンプルなユーザーインターフェースで直観的に操作可能
・右側走行(あるいは左側走行)といった院内ルールに合わせた走行が可能
3:大容量で広範囲を巡回、複数個所でタスク実行
・大容量77ℓのセキュリティロック付荷室を搭載。棚は用途に応じてカスタマイズ可能
・複数病棟の巡回走行が可能
4:効率的なルートで安全かつスピーディーに移動
・周囲の混雑具合、時間帯、エリア別に最適な速度に調整するシステムを搭載。混雑していない環境では安全を確保しながら高速モードに切り替わる
・周囲の人とモノを検知しながら、目的地まで最適なルートを選択し走行
エレベーターや自動ドアとも連携
トライアルサービスにおいては、川崎重工、SEQSENSE、近計システム、デジタル・インフォメーション・テクノロジーが共同開発したプラットフォームクラウドシステム、ロボット連動ユニットにより、エレベータや自動ドアと連携を行っている。
高い応答速度により周囲の医療従事者にストレスを与えない走行を実現しています。また本サービスは、屋内配送の実装に必要な機能や、エレベータや自動ドアなど院内設備との調整までをオールインワンのパッケージ化しており、サービスを導入する病院にとって導入や運用にかかる調整の手間やコストの抑制が可能となっている。
本件は、ロボット(=モノ)の提供だけではなく、サービス(=コト)としてのソリューションの実例です。今後、藤田医科大学病院での本格導入を目指すとともに、社会課題に対する迅速かつ効果的なソリューションとして本事業を進めていくとししている。