“指先で考えるロボットハンド”の実現に取り組むThinkerは、同社の取締役でもある大阪大学大学院基礎工学研究科の小山佳祐助教が独自に研究・開発した「カメラレスばら積みピッキング」を実現するロボットハンドの製品化を進める。
「ばら積みピッキング」を実現できる次世代型のロボットハンドの開発・製品化に着手
人手不足が深刻化する中、製造業を中心にロボットハンドが有力な対策のひとつとして注目を集めている。
しかし、従来のロボットハンドの多くは、カメラによってセンシングを行うことから死角ができやすく、そのために対処が難しい作業や事前のティーチングに大きな手間や時間がかかる作業がいくつかある。その中でも最も実現が渇望されているのが、ランダムに置かれた部品などをピッキングするばら積みピッキングだ。
多様なリクエストに応じた少品種・少量の生産が求められ、スピード感を要する現在では、ロボットの事前セッティングに時間がかからず、かつその場で柔軟な対応ができる能力が求められている。
こうした社会の実情やニーズを踏まえて、Thinkerは出荷を開始した「近接覚センサーTK-01」の提供に加え、同じく近接覚センサーの技術によって「ばら積みピッキング」を実現できる次世代型のロボットハンドの開発・製品化に着手。Thinkerの開発テーマでもある「3歳児でもできるのにロボットにはできない動作の実現」のひとつとして、2025年度の製品化を目指す。
「近接覚センサーTK-01」の特長
出荷を開始した「近接覚センサーTK-01」は、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できるセンサー。
これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性を飛躍的に広げることができるようになるとともに、ティーチングの時間や労力を大幅に軽減できることから、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用も期待されている。
指先で考えるロボットハンド「近接覚センサー」発売 人間にはない「近接覚」とは? モノの位置と形を非接触で把握してピッキング
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