
長野県伊那市が令和3年度から取り組んでいる「無人VTOL機による物資輸送プラットフォーム構築プロジェクト」に参画する川崎重工は、最新実証機「K-RACER-X2」を投入し、伊那スキーリゾートにて飛行試験およびデモ飛行を実施した。
山小屋への物資輸送スキーム構築を目標
国内山間地では労働人口減少などにより輸送能力が減る一方、山小屋への物資輸送やさまざまな公共インフラの維持および更新などの需要は堅調であることから、物流インフラが維持できなくなるリスクが高まっている。
本プロジェクトは、川崎重工が開発するVTOL 無人機「K-RACER」を使い、山小屋への物資輸送スキームを構築することを目標としている。
これまで通信品質や自然環境の調査、事故リスクの検討などを行うとともに、飛行ルートの策定を進めてきた。
今回、メイン・ローター直径を5mから7mとしたことなどにより標高0mでのペイロードを100kgから200㎏へ大幅に向上させた実証機「K-RACER-X2」を投入し、麓から山小屋まで物資を輸送する実証実験を通じてサービス能力の検証を行う。
なお本スキームは、同様の課題を抱える全国の自治体や関係団体に水平展開が可能な汎用性・拡張性を持ち、持続可能な社会の実現に貢献する。
K-RACERについて
有人ヘリコプターによる荷揚げ業務を代替することを目的として、川崎重工が開発中の無人VTOL機。
実証機「X2」は、旧型「X1」をベースに、山間地での物資輸送により一層適した形態・仕様に改善されたもので、標高3,100m の山小屋へ100kg の貨物を輸送可能となっている。
K-RACER-X2 基本仕様
メイン・ローター直径 | 7m |
---|---|
最大ペイロード | 200㎏(標高0m)、100kg(標高3,100m) |
駆動方式 | レシプロ・エンジン |
燃料 | ハイオクガソリン |
航続距離 | 100km以上 |
連続運用可能時間 | 1時間以上 |
事業体制(令和5年度)
関連記事
【世界初】川崎重工の無人VTOL機が物資輸送 中央アルプス・南アルプスで長野県伊那市が開始 KDDI、ゼンリンも参画
無人ドローンと自動搬送ロボットが連携して荷物を無人搬送 川崎重工が実験に成功
ドローン関連記事 (ロボスタ)
スマート物流関連記事 (ロボスタ)
【世界初】川崎重工の無人VTOL機が物資輸送 中央アルプス・南アルプスで長野県伊那市が開始 KDDI、ゼンリンも参画
無人ドローンと自動搬送ロボットが連携して荷物を無人搬送 川崎重工が実験に成功
ドローン関連記事 (ロボスタ)
スマート物流関連記事 (ロボスタ)
関連サイト
川崎重工業株式会社
川崎重工業株式会社
この記事を読んだ人におすすめ
-
SkyDriveが米国で空飛ぶクルマ事業を本格始動 チャーター機運航会社から5台のプレオーダー
-
川崎重工とSEQSENSEが藤田医科大学病院で屋内配送向けサービスロボットのトライアルを開始 24時間体制で検体や薬剤配送業務に
-
楽天ドローン ビジネスの現状と未来戦略 調査/点検/アカデミー/配送/空撮「ドローンエコシステム」の実際を聞く 単独インタビュー
-
ラピュタロボティクス、小規模から大型物流倉庫まで自由自在に自動化を実現するソリューション「ラピュタASRS」発売開始
-
吉野家が店舗から郊外へ牛丼を届けるドローン配送の実証実験 石川県小松市で実用化を見据え
-
自動配送ロボットで近畿大学とHakobotが共同研究 常設運行に向けて大学構内で冷えたミネラルウォーターを配布配送実験
-
イームズロボティクスが経済産業省・中小企業イノベーション創出推進事業「行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証」に採択
-
『空飛ぶ軽トラ SORA-MICHI』空も道も行ける合理的な両用コンセプトモデル ジャパンモビリティショー愛知県ブースで発表
-
「2023国際ロボット展」ヤマハ発動機ブースに自動搬送車両「eve auto」を出展 自動運転対応、工場や物流施設の屋外搬送の自動化を工事なしで実現