「2023国際ロボット展」(iREX2023)過去最大規模での開催へ 見どころと最新の注目ポイントと展示内容紹介
「2023国際ロボット展(iREX2023)」が、2023年11月29日(水)~12月2日(土)の4日間、東京ビッグサイトで開催される。テーマは『ロボティクスがもたらす持続可能な社会』。日本ロボット工業会と日刊工業新聞社が主催する。
「iREX2023」は、2年に1度開催する世界最大規模のロボット専門展。今回で25回目を迎える。出展規模は、654社/団体、3,508小間(前回615社・団体3,227小間)となり、過去最大規模での開催となる。
オンライン会場も併催
また、前回に引き続きオンライン展示会「iREX ONLINE」は、既に11月22日(水)~12月15日(金)で併催が始まっている。
開催日時:11月22日(水)~12月15日(金) 出展社数:64社(11月24日現在)
リアル会場の会期中はもちろん、会期前後でもオンライン出展者の展示やウェビナーなど、どこからでも 24 時間アクセス可能。
ロボスタ的 注目の展示ブース紹介
ugo
業務DXロボットの開発を手掛けるugo株式会社は、専用ステージにて複数台の「ugo mini」を同時展示予定。(東7ホール E7-46)
「ugo mini」による「点検DXソリューション」
会期中は「ugo mini」を活用した環境センシングやメーター読取など、点検業務の自動化デモンストレーションを実施する。
ugo Pro
サイドステージではフラッグシップモデルの「ugo Pro」を展示。警備・点検・介護などの業務で活用されているロボットの基本機能をご紹介し、ugoのアームを用いたボタン押し等のデモを実施。
参加型イベント
ブースにて、来場者様が参加できる3つのイベントを用意。
ひとつは、アイデアを募集し、参加した人にはカプセルトイを回してゲットできる「ugo miniのフィギュア」がプレゼントされる。
そのほか、「ugo mini 操作体験会」(2023年12月2日(土)のみ)、「ugoと写真撮影会」(2023年12月2日(土)のみ)も実施する。
ヴイストン
ヴイストン株式会社は、機体の前後にデジタルサイネージを搭載した、高さ約180cmの大型コミュニケーションロボット「サンドイッチロボ」を試作し、同社ブースで展示する。(小間番号:E7-03 / 共同出展:i-RooBO Network Forum内)
サンドイッチロボの最も大きな特徴は、ロボットの前面と背面にデジタルサイネージ(液晶ディスプレイ)を搭載した点。サイネージへの投影内容は前後で個別に制御することが可能なほか、ロボットの動作とも連動させることができる。
アールティ
アールティは製造業の生産性向上に寄与するため、AIを搭載した人型ロボットを用い、軽作業革命のコンセプト展示を行う。具体的には、食品工場の不定形物のピッキングやセル生産、物流倉庫を想定したキッティング等をイメージさせる軽作業のコンセプトを展示する。(東2ホール E2-36)
・人型協働ロボットFoodly
・Foodly TypeR(セル生産)
・研究用ティーンサイズヒューマノイドロボット「Bonobo」他
ブースには、軽作業を想定したロボット、シーンを展示予定。※展示内容は一部参考出品。
デンソー
新デンソーは、複数台のロボットが高速で同時作業するための最適な動作経路を自動生成するAIアルゴリズムを開発したことを11月22日に発表。同社ブースで参考展示する。
通常、ロボットの動作を設計するには、ティーチング作業によって専門の技術者がロボットを実際に動かしながら動作を作り込んでいく(学習させる)必要がある。実際の生産現場では、時間あたりの作業量を増加させたり、ロボットに複雑な作業を担わせたりするために、複数台のロボットによる同時動作が求められる場合があるが、複数台のロボットに対するティーチングは、互いが衝突せず、動作時間が短い最適な経路で動くよう調整しなくてはならず、非常に難しい作業となる。
デンソーは、専門の技術者による複雑なティーチングを行うことなく、AIアルゴリズムによって動作経路を自動生成する技術を開発。
会場では、3台のロボットが高速に作業対象を整列する実機でのデモを見ることができる。
NVIDIA/菱洋エレクトロ
NVIDIAは「Isaac Sim で仮想空間から現実世界へ」をテーマに、菱洋エレクトロ株式会社と共同出展する。Techman RobotとIsaac Simを活用したデジタルツインやAMRのデモ展示、NVIDIA Jetsonファミリーの展示を行う。NVIDIA Isaac Simは、Omniverseで構築した仮想環境上でロボット等のシミュレーションを行うアプリケーションツール。フォトリアルで物理的に正確な仮想環境の中、合成データの生成やシミュレーションを効率的に実施し、ロボットの市場投入までの時間を短縮する。NVIDIA/RYOYOコーナーではロボティクスとAIに関連する、Isaac プラットフォームを展示、AMRコーナーでは、リファレンスデザインロボット「Nova Carter」を日本初披露。(菱洋エレクトロ×NVIDIAブース:東ホール7、E7-13)
・Techman RobotとIsaac Simを活用したTechman AI協働ロボットを活用したデジタルツインデモ
・AMRソリューションデモ:NVIDIA Isaac Nova Orin アーキテクチャを基にしたリファレンスデザインロボット「Nova Carter」を日本初披露
来場者現限定特別価格!NVIDIA Jetsonファミリー即売会
NVIDIA Jetson AGX Orin 64GB開発者キット
NVIDIA Jetson Orin Nano開発者キット
NVIDIA Jetson Nano B01開発者キット
オムロン
オムロンブースでは、モノづくり革新コンセプト「i-Automation!」を具体化した2つの次世代生産コンセプトラインを展示し、過去最大規模で再現した「モノづくり現場」を紹介する。人と機械それぞれの潜在能力を最大限まで引き出しながら脱炭素化の要請にも応える、サステナブルで高い競争力を持つ新たなモノづくり現場が体感できる。
1. 2つの次世代生産コンセプトライン
展示する次世代コンセプトラインの1つ目は、グローバルで深刻化するモノづくり人材の不足に応える「人を超えるフル自働化ライン」。ロボット統合制御やデジタルツインなどの技術を活用し、匠の手作業のロボット化、エンジニアの感性に依存していた設備の調整や保全などの各種作業の自働化を実現。もう1つは、急激な需要変動に対応可能なモノづくり現場を実現する「人とロボットが高度に協調するフレキシブルライン」。生産数量の変化に応じて人とロボットの役割を柔軟に変え、生産ラインのレイアウトをスピーディに変更できる、自由度の高いロボットセルラインを提案する。
また、「オムロン独自の革新アプリケーション技術」(オムロンの制御機器群:ILOR+S*)や「データ活用共創型サービス”i-BELT”によるエネルギー生産性ソリューション」なども展示する。
Mujin
出展コンセプトは「変種変量時代の自動化をDXするインテリジェントオートメーション」E6-18(東6ホール)。
製造・物流現場を取り巻く環境は、人手不足、労働賃金/物流コストの高騰、技術漏洩防止を背景に自動化ニーズ需要が高止まりしているという。一方で、変種変量生産が進み自動化が思うように進まない現状がある。
そこでMujinは、ロボットの単体制御のみに留まらず、高精度3Dビジョンやロボットハンドを含むロボットセルの統合制御によりロボットの知能化を実現し、状況に応じた自律動作を可能にしてきた。近年ではさらに制御範囲を広げ、ロボットセルをAGV(無人搬送車)、コンベヤ、各種アクチュエータの様な様々な周辺自動機器を「Mujinコントローラ」に接続することで、生産ライン全体の統合制御、データの見える化、リモート運用を実現している。
今回の展示会では、変種変量時代の複雑で高度な自動化設備を、簡単に、すぐに、安く構築し、統合知能システムにより安定的な運用・分析を可能にする「インテリジェントオートメーション」へと進化したMujinの最新テクノロジーを紹介する。
1. 混載通い箱デパレタイズ/パレタイズ知能ロボット+AGV
2. 国内初公開!デバンニングロボット「TruckBot(トラックボット)」
3. 多機能ハンド混載デパレタイズロボット+AGV
4. プレカット加工機+ ティーチレスパレタイズロボット
5. バラ積みピッキングロボット + 外観検査 + バリ取りプレス機投入
6. 組み立て知能ロボット+AGV(コンセプト出展)
レナトスロボティクス
東大発・米国物流ロボティクスベンチャーRENATUS ROBOTICS Inc.は、西部電機(株)と「2023国際ロボット展」へ共同出展する。ブースでは効率的な自動倉庫システム『RENATUS』のデモンストレーションを展示する(西部電機ブース(東5ホール E5-27))。独自設計と独自配車アルゴリズムにより大規模棚でのワンストップ梱包を実現するソリューション。
物流にかかるコストが大幅に下がり、単調な作業に従事していた従業員はより本質的な業務にリソースを投じることが可能となる、としている。これによりピッキング人件費は最大1/2にまで削減されたケースもあるとする。なお、展示は、シャトル自動倉庫「RENATUS」とコンテナパレ・デパレ協働ロボット。
■【PV】世界初「ワンストップ梱包」を可能にする自動倉庫『RENATUS』
Keigan
株式会社Keiganは開発した自律移動ロボット「KeiganALI」と、その能力を大幅に向上させるオプション群をリリースし、国際ロボット展に展示する。
「複数台の KeiganALI を現場で使用したいが、通路が狭く、運用が難しい」といった声を反映して、開発したKeiganFleet ソフトウェアは、複数台の KeiganALI を現場で同時に動作させても、衝突や動けなくなる状態を防ぐための、交通整理の機能(群制御)を有している。主に、以下のことが可能。
交通整理:複数台の KeiganALI がマップ及び経路情報を共有し、衝突を防ぎながら最適なルートで走行
情報管理:機体の位置、バッテリー残量、ステータスなどを一元管理
自動充電:バッテリー残量を把握し、充電ドッキングシステムと組み合わせて自動充電
1.複数台の交通整理(群制御)を可能にする「KeiganFleet」ソフトウェア
2.PLCからの制御が可能な「KeiganCommunicator」ソフトウェア
3.自動充電を実現する「充電ドッキングシステム」
4.台車の自動着脱が可能な「台車連結モジュール」
5.60Kg積載が可能な「トルクアップ改造」
自律移動ロボット「KeiganALI」
KeiganALIは 搬送質量 30kg のコンパクトな自律移動ロボット。上部のカスタマイズが容易で、現場担当者でもマッピング(地図の作成)が簡単にできる。また、APIを公開しており、自由なソフトウェア開発が可能。
HatsuMuv / 山洋電気
2次元キャラクターにそっくりな人型ロボット「ハツキ」が、期間限定で山洋電気のアンバサダーとして活躍する。製品紹介と来場者の案内を担当する。
ハツキは早稲田大学の尾形哲也研究室にて、深層学習による人型ロボットの動作生成、ヒューマンロボットインタラクション、AI研究、VTuberシステムの運用検証など、様々な技術に対する応用事例を示してきた。また、ワンダーフェスティバルなどの世界最大級の造形展示会に数回出展し、こだわりの造形、ロボット技術、プロジェクションマッピング、リアルタイム遠隔操作システムなどの技術にも高い評価を得た。
パナソニックグループ
パナソニックグループは、「モノと心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指し、一人ひとりの生涯の健康・安全・快適に向けて取り組んでいる。今回の展示では「Augment Possibility with Robotics(制約を超え、くらしを広げる)」をキャッチフレーズとして、ロボットやロボット技術があるからこそ実現できるより便利な世の中やより豊かな世界を目指した取り組みを紹介する。
自律搬送ロボット HOSPI Trail
業務用ロボット掃除機 RULO Pro / RULO Biz
ロボティックモビリティ PiiMo
自律移動プラットフォーム(開発中)
2台の小型低速ロボットを用いて、処方箋医薬品をアイン薬局 FujisawaSST店、冷蔵品の弁当を商業施設「湘南T-SITE」から住宅に向けて配送した実証実験を実施。
その他、自律移動ロボット向け ソフトウェアパッケージ @mobi、歩行トレーニングロボット、エアコン室外機外装自動分解システム、多様な把持を実現するロボットハンド(開発中)、力制御可能なモジュール型ロボットアーム(開発中)、思わず笑顔になるロボット NICOBO、コミュニケーションロボット cocoropa(開発中)、ロボット安全・性能評価ソリューション、機能安全対応 無線非常停止デバイス @seguro wesなど、多彩なロボットを展示する。
■離れて暮らす家族との「想い」をつなげるロボット「cocoropa」
ローレルバンクマシン
ローレルバンクマシンは8軸多関節ロボット『xLobomo(クロスロボモ)』を出展する。独自構造である「xMotion(クロスモーション)」を制御するGUIモデルを使用し、新たな動作の実演展示を予定している。(東5ホール E5-07)
【展示内容詳細】
2023国際ロボット展では下記の展示をする予定。
(1)新開発「xMotion」構造の動作を実演。
(2)今までにない新しい動作1
:「スカラMotion」を用いたスカラロボットのような動作。
(3) 今までにない新しい動作2
:「ミラーMotion」を用いたD1軸を中心としたコンパクトな対称的な動作。
イベント情報
◆ [INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2023(iREX2023)]
◆ 開催趣旨:国内外における産業用・サービス用ロボットおよび関連機器を一堂に集めて展示し、利用技術の向上と市場の開拓に貢献し、ロボットの市場創出と産業技術の振興
に寄与する。
◆ テーマ: ロボティクスがもたらす持続可能な社会
◆ 主催: 一般社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
◆ 後援:
経済産業省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、総務省、文部科学省、日本商工会議所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易振興機構(JETRO)、日本放送協会(NHK) 〈順不同、法人格略〉
◆ 協 賛:
計測自動制御学会、情報通信ネットワーク産業協会、製造科学技術センター、精密工学会、全日本プラスチック製品工業連合会、テクノエイド協会、日本アミューズメントマシン協会、日本機械工業連合会、日本金属プレス工業協会、日本建設機械工業会、日本建設機械施工協会、日本工作機械工業会、日本産業機械工業会、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本食品機械工業会、日本鍛圧機械工業会、日本鉄鋼協会、日本電気計測器工業会、日本電機工業会、日本電気制御機器工業会、日本塗装工業会、日本半導体製造装置協会、日本福祉用具・生活支援用具協会、日本福祉用具供給協会、日本物流システム機器協会、日本フルードパワー工業会、日本ベルト工業会、日本防錆技術協会、日本包装機械工業会、日本溶接協会、日本ロボット学会、マイクロマシンセンター、ロボット革命・産業 IoT イニシアティブ協議会〈五十音順、法人格略〉
【リアル会場】
◆ 会 期: 2023年11月29日(水)~12月2日(土)
◆ 会 場: 東京ビッグサイト 東 1~8 ホール/西 3・4 ホール
◆ 開催時間: 10:00~17:00
◆ 入 場 料: 1,000円 ※入場登録者、招待状持参者、中学生以下は無料
◆ 同時開催展{(西1・2ホール/11月29日(水)~12月1日(金)/相互入場を実施}:
「洗浄総合展」、「VACUUM 真空展」、「SAMPE Japan 先端材料技術展」、「高精度・難加工技術展」、「表面改質展」、「KOKOKARA Fair」、「FACTORY’S GOODs」
【オンライン会場】
◆ 会 期: 2023 年11月22日(水)~12月15日(金)
◆ 会 場: オンライン上
◆ 入 場 料: 無料[登録制]
2023国際ロボット展(iREX2023)