キューティーロイドから生まれた人間の手に近い高性能小型ロボットハンドを義手に活用 可能性を示す動画を公開

HatsuMuvは、2次元キャラクターを3次元へ降臨させる「キャラクター現実化サービス」を初めとし、エンターテインメントシステムの開発・運用に特化したスタートアップ企業。その一方で、ロボティクス技術を活用し、ロボットハンドの作成にも力を注いでいる。

そのHatsuMuvの開発による、人間の手に近いロボットハンド『HatsuHand』の、新たな可能性を実現する動画がHatsuMuvの公式YouTubeチャンネルで公開された。


『HatsuHand』とは?

『HatsuHand』は、「人間の手に近いサイズ(約19cm)」で作られた設計が特徴の高性能小型ロボットハンド。従来のロボットハンドよりも「日常生活」を意識した動作をおこなえる可能性が見出されており、いまもなお研究が続けられている。

今回公開された動画ではその可能性を明らかにしている。

コップを掴む

『HatsuHand』は掴んだ物に合わせて、各指に適切な力を伝達する「なじみ機構」を搭載。「硬さや形状の異なる物をしっかり掴む」ことをロボットハンドでも可能にしており、コップを掴むことに成功した。


買い物袋を持つ

『HatsuHand』の各指の引く力は500gで、最大2kgまでの把持力を有している。毎回重さが異なる買い物袋でも、難なく持ち上げることが可能。


ドアを開ける

ドアノブをしっかりと上下させ、義手(片手)だけでドアを開けることが可能。片手にコップを持ちながら部屋を移動するような、まさに「日常動作」の実現に成功している。


工具を使う補助に

ハンドドリルを使う

道具を使用時の補助はもちろん、ドリルの操作も可能なためDIYなども可能。

人間の手に近いサイズである利点を活かし、一般的な手袋を被せられるのも特徴の一つ。約350gと圧倒的な軽量化にこだわっていることも後押しし、その用途はさらに日常へ溶け込んでいく可能性を示した。



『HatsuHand』が生まれた背景

実は『HatsuHand』は、もともと義手として作られたわけではない。「アニメキャラが、現実世界に現れたらいいのに。」そんなオタクな研究者の思いから開発された製品なのだ。

HatsuMuvは、「まるでキャラそのもの」のように体が動き、言葉を話す、150cm級の等身大キャラクターロボットの制作をする「Cutieroid Project(キューティーロイド プロジェクト)」を行っている。



プロジェクトを進めていく中で握手会や物販などより人間に近いリアルな動作をさせる目的で作られたのが『HatsuHand』である。

技術を形にしていく過程で、義手として「日常動作」を意識した運用ができる可能性に気付き現在に至っている。つまり『HatsuHand』は、2次元キャラクターを3次元に降臨させるための研究をおこなった結果、別の形で社会にインパクトを与えられる製品に仕上がった稀有な存在なのである。

『HatsuHand』を共に開発するパートナーを募集


今回の動画にに出演しているのは生まれつき右手をもたない研究者の友人。だが『HatsuHand』を使い日常動作に成功した彼の笑顔を見たとき、この製品はもっと多くの人へ届いていくべきだと強く感じたと述べている。

しかし、『HatsuHand』を実際に義手として広めていくためには、まだまだ専門的な要素をプラスした研究が足りていないのが現状であり、HatsuMuvは、義手の制御モジュール開発、ハンドと接続する義肢の製造へ知見のある企業・研究者の方々との協業を募集している。

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ロボスタ編集部

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