ドコモが最新「AI接客」公開 生成AIや行動分析AIなどを組合せるとどう変わる? ユーザ向けの高度なAI応対を体験

NTTドコモは「ドコモオープンハウス24」で「コミュニケーションAIが実現するAI接客」のデモンストレーションを公開した。AI 接客のデモンストレーションでは、複数のAI技術を組み合わせることで、ユーザーのプロフィール情報やその時の感情に寄り添った応対が可能となっている。


舞台はドコモショップ、もしくはそのオンラインショップ。ユーザー役の女性は「私にぴったりな料金プランを教えてください」とコミュニケーションAIに問いかける。


AIは「お客様のデータ利用量は18GBでしたので、お客様にはahamoが一番お得にご利用いただけます。もしご興味がありましたら、オペレーターから詳細をご案内することも可能です」と回答し、最後に「ちなみに映画やドラマはお好きでしょうか?」と付け加えた。


女性が質問した内容を音声認識、それに対する回答文をリアルタイムで自動生成して答えたコミュニケーションAIだが、女性は「今回注目いただきたいのが最後に”ちなみに映画やドラマはお好きでしょうか?”と聞いてくれたところ」と強調した。


docomo Senseの技術によって、dアカウントに紐付いた個人の情報からユーザーの興味関心をAIが認識、映画やドラマに興味がありそうだと判断した。

女性が「映画好きです」と答えると、コミュニケーションAIは「ahamoも契約いただくと、Lemino(映画・ドラマ・アニメ・韓流など動画配信サービス)をお得に使えるキャンペーンがあります」と言って、ユーザーにぴったりなお得なキャンペーンとして紹介した。ここでは、CX分析技術が使われ、この技術はユーザーの過去の行動データを分析、ユーザーの行動を推測する技術となっている。そこで、料金についての問い合わせに伴い、ahamoに付帯する「爆アゲセレクション」を訴求すると、ユーザーが興味を持ってくれるかもしれない、と推測して紹介した。


こうした応対をおこなうことでユーザーの満足度を高め、成約率の向上も目指すしくみとなっている。

■最新の「コミュニケーションAIが実現するAI接客」のデモ


画一的な応対しかできないとされてきたAIによる接客に変革

既存の対話AIやチャットボットの多くは、質問の回答や応対が画一的で、ユーザーごとに寄り添った対応ができない点が課題とされてきた。

ドコモは今回の「コミュニケーションAIが実現するAI接客」では、「音声DX基盤」「CX分析技術/docomo Sense」「LLM付加価値基盤」を活用することで、ユーザーの行動や好み、感情を考慮し、ユーザーひとりひとりに応じた接客が行える、ことをデモンストレーションしたわけだ。



コミュニケーションAIが実現するAI接客の特長

・ユーザーの感情に寄り添う
・ユーザーの期待を超える提案を行う
・ユーザーへの柔軟な対応を行う


「AI接客」を支える技術アセット

・音声DX基盤
 ユーザーの声から感情を推定
・CX分析技術/docomo Sense
 ユーザーの属性や情報、回答をもとにニーズを理解する
・LLM付加価値基盤
 大規模言語モデルを駆使して、最適な対応を自動生成する

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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