LegalOn Technologiesは同社が提供するAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」の自動レビュー機能が、「賃金規程」に対応を開始したと発表した。今回の対応開始により、賃金規程の作成にかかる労力を軽減でき、抜け漏れや見落とし、法改正対応漏れのない賃金規程の作成・改定業務の支援が可能になるとしている。
AI 契約審査プラットフォーム「LegalForce」とは
「LegalForce」は、契約審査の品質向上と効率化を実現する「AI契約審査プラットフォーム」。最先端の技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、契約書をアップロードするだけで契約書に潜むリスクの見落としをサポートする。
このほか、契約書や条文のリサーチ、校正、ナレッジ共有、案件管理、新旧対照表作成、契約書対応件数集計、ChatGPTを活用した契約書の修正文案の提案等、契約業務の品質向上と効率化を同時に実現する機能が多数搭載されている。
2019年4月に正式版を提供開始し、2023年12月時点で3,500社を超える企業・法律事務所に有償契約で利用されている。
効率的な賃金規程の作成を支援
賃金規程とは、従業員の賃金の取り扱いについて定めた文書だが、賃金規程を作成すること自体は義務ではなく、就業規則に賃金に関する事項をまとめて規定する方法もあるものの、賃金については規定すべき項目が多く、また記載必須事項などもあることから、賃金規程として別で作成されることが一般的とされている。就業規則は法律上、常時10人以上の従業員を使用する事業場がある会社においては、作成が義務付けられており、就業規則に賃金に関する事項を記載しないのであれば別途賃金規程を作成する必要がある。
賃金規程の内容が不適切であったり、不明確であったりする場合、労使間や労働者間でトラブルが発生する原因となることから、適切な内容を定めることが企業にとっては重要な課題となっている。
また、賃金規程では、賃金の計算方法や支払方法などの絶対的記載事項と、賞与等に関する制度がある場合に記載しなければならない相対的記載事項などが定められる他、トラブルを防止するため、各項目で詳細な取り決めが求められるため、企業や企業から依頼を受ける法律事務所の弁護士や社労士などの専門家の方々にとって作成やレビュー時の労力が大きな負担となっている。
今回、「LegalForce」が「賃金規程」の自動レビューに対応開始したことで、賃金規程に盛り込むべき条項とその背景、法改正のポイント等について瞬時にチェックが可能となり、重要な条項の抜け漏れや法改正対応漏れを防止し、効率的な賃金規程の作成を支援できるようになる。
「LegalForce」の自動レビュー機能は、既に「就業規則」にも対応しており、今回「賃金規程」にも対応したことで、社内規程作成時における「LegalForce」の利便性がさらに向上した。
「賃金規程」の自動レビューチェックポイント(一部)
賃金の支払方法
賃金の支払方法は就業規則またはその委任を受けた賃金規程に必ず記載しなければならない。直接払いや金融機関口座への振込に加え、2023年4月からはデジタル払いも可能になりました。賃金をどのような方法で支払うのかを明確に定める必要がある。
時間外労働手当の割増賃金
労働基準法上、法定労働時間を超えて労働させた場合には割増賃金を支払う必要がある。このときの割増率については法令上の取り決めがあり、これを下回らないように注意しなければならない。そこで、法令を遵守した時間外労働手当が規定されていないと思われる場合に、アラートが出る仕様になっている。