運転席と駆動ベースユニットが分離・合体!次世代3輪モビリティ「Raptor」発表 千葉工大fuRoとRDSの技術を融合

株式会社ROIDZ TECHは、3輪モビリティ「Raptor」(ラプター)を発表し、プロトタイプを報道陣に公開した。「Raptor」は、モビリティの上部「デザイン部」と下部「ベースユニット(駆動部)」の2つのユニットを分離して合体させるユニークな「連結ユニット」機構が特徴。



「Raptor」と、右はベースユニットだけ分離したところ


「Raptor」全景

「Raptor」の全景

「Raptor」の全景(横)

「Raptor」の全景(やや上から)

Raptorは猛禽類の意。獲物を捉えるハヤブサをイメージした、と言う。
なお、ROIDZ TECH社は、と、fuRoの古田貴之氏(千葉工業大学未来ロボット技術研究センターfuRo 所長)と株式会社RDS 代表取締役社長の杉原行里氏の二人が共同創業したスタートアップ企業。予定では「Raptor」の販売は年内に始める考え。価格は未定だが、バイクの価格帯を意識しているという(中高級バイクの価格帯)。


千葉工業大学未来ロボット技術研究センターfuRoの古田貴之氏(左)と株式会社RDS 代表取締役社長の杉原行里氏でROIDZ TECHを設立

fuRoの古田貴之氏は以前より、カンガルーのようなデザインが可愛くて未来的なモビリティ「CanguRo」(カングーロ)を開発・発表しており、「Raptor」はその知見を活かした発展形だと言う。関連記事「「次世代ロボットの夢」第二弾は千葉工大「fuRo」所長の古田貴之氏が登場!新進気鋭のロボット開発者にインタビュー「livedoor NEWS ×ロボスタ」コラボ連載

下部のベースユニットと上部のデザインユニットで構成


ベースユニット:

Raptorの下部パーツ。モビリティとしての「走る機能」を集約したユニット。
いわばプラットフォームとしてのRaptor の心臓部。
「連結ユニット」を備え、デザインユニットとメカ構造をワンタッチで接続・合体可能。
車体が傾く 「リーン機能」を装備。高速域での滑らかなスラロームターンと爽快な走りを実現。

分離したベースユニット(右)。ベースユニットには別のデザインユニット(上部)に換装することもできる


デザインユニット(上部):

Raptorの上部パーツ。クリエイターやサービス事業者がオリジナルのユニットを構築し「Raptor」を全く異なる違うモビリティに変更することができる。すなわち、さまざまな上部デザインユニットを合体させることによって、Raptorは用途、形態を変幻自在に再構成し、展開することができる新しいコンセプトを持つ。


ベースユニットと4足歩行ロボット(デザインユニット)を合体して、3輪モビリティにする例。モビリティの状態ではもちろん乗って走らせる想定となっている。


各種デザインユニット:実装例

ベースユニットは共通でも、上部のデザインユニットを換装することで、別のモビリティに変身させることができる。



「Raptor」の仕様と特徴

披露された「Raptor」の仕様は、長さ119cm、幅51cm、高さ88cm。重量は約54kg(バッテリー含む)。前が2輪、後ろが1輪の3輪機構の電動モーター駆動(個人的には、インホイールモーターを使用しているのか、駆動輪は前後どちらかなどが気になったが質問は叶わなかった)。


最高時速はソフトウェアで制御することで40km/hを目安としている(機構上はもっと高速な速度が見込める)。ただ、原付登録にするのか、2種原付か、それとも低速モビリティかなど、用途によって最高速度の設定は変わってきそうだ(現時点では未定)。


車体や車輪を傾けることができるリーン構造を採用しているため、小回りがきき、3輪接地の高速域でのコーナリングも安心、スラロームターンも自由自在だという。
バッテリーのフル充電は約7時間、航続距離は40km目安。


将来的には、AIによる自動速度制限や安全機能(LiDARやセンサー等も搭載を想定)を実装予定としている。

プロダクトデザイナーの小西哲哉氏がデザインを担当した。




キーとなるテクノロジー

スイングアームによる全輪独立懸架リーンサスペンション
スイングアームを介して前後輪をフレームに接続することにより、メインフレームを小型化。

小型化されたメインフレーム内に必要機能を配置
ドライバー、バッテリ、ブレーキコンバータ、操舵軸、差動リーンダンパーを配置することで上下ユニットの分割が容易に可能

可変式差動リーンダンパー
下記の調整により、機体の旋回挙動を乗り手の好みに調整できる
・リーン角度の制限
 車体が傾く角度を0~30[deg]内で制限する
・リーン抵抗力の調整
 車体を傾けるために必要な力を調整する
・リーンスピードの調整
 車体が傾く時の速さを調整する

連結ユニット
レバー操作のみで上下間のユニットを分離・固定、同時にステアリング動作とブレーキ動作の伝達、切り離しが可能。連結部と動作伝達部を集約することでデザインユニットの構成自由度を確保。動作伝達部がベースユニット上部に露出していることで、ブレーキやステアリングのアクチュエーションを容易とする。

油圧ブレーキコンバータ
ベースユニットには油圧コンバータが搭載されており、デザインユニット側のブレーキレバーからワイヤーで伝達させることが可能。
ワイヤーブレーキを上下ユニット間の伝達に使うことで動力分割を容易とする。

関連サイト
株式会社ROIDZ TECH

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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