大和ハウスとCuboRex 建設現場で電動一輪車の運搬作業の効率化の共同実験 効率は40%アップ、120kg増量でも作業員の負担軽減

CuboRexは、大和ハウス工業と共同で、建設現場においてCuboRexの「一輪車電動化キット E-cat kit2」を利用した電動一輪車の使用による運搬作業の効率化を実証する共同実験を実施、作業効率の向上を確認した。

特に坂道での動き出しの負担軽減や、ぬかるんだ道、段差や石など障害物の多い通路の運搬で効果を発揮し、労力の削減による大幅な効率向上を確認。「一度使うと通常の一輪車には戻れない」との声もあり、 CuboRexの電動一輪車が外構工事における現場DXに貢献し得ることが明らかになった。


実証実験実施の背景

建設・土木業界の市場と課題

総務省の調査によると、建設業就業者数は、1997年(685万人)をピークとして減少が続いており、2022年は ピーク時比69.9%の479万人と担い手が不足。さらに、同年の建設業就業者の内訳は55歳以上が約36%、29歳以下が約12%となり、全産業と比べ著しく高齢化の傾向にある。


建設作業現場のDXを目指す

大和ハウスグループでは、協力企業の高齢化や後継者不足から生じる運搬作業の重労働を重要な課題と捉え、建設現場の屋内で荷物を運搬するロボットの使用を現場にて検証するなど、様々な施策を検討しており、 今回、屋外作業における運搬省力化施策として、CuboRexが電動一輪車を提案したところ、実証実験に実施に賛同してもらえたとしている。


実証実験の概要

目的 運搬作業における電動一輪車と一般的な一輪車の使用感を比較
作業内容 実際の現場にて、運搬作業に当社の「一輪車電動化キットE-cat kti2」を利用した一輪車を使用。
検証方法 通常の一輪車と電動一輪車を利用した際の一往復あたりに要する時間と可搬積載量を比較。電動 一輪車の肉体的負担軽減効果を5段階で評価。作業効率の向上を実感した割合を包括的に調査。


実証実験の結果

定量的な効果 同じ時間で120kg多く土砂を運べた

電動化による推進力の効果により、通常の一輪車使用時と比較して1往復あたり20kg増量した運搬が可能になった。作業全体では、同じ時間で120kg多く土砂を運ぶことが可能になり、全体の作業効率は約40%向上した。

これまでは長時間の作業に備え、1回あたりの重量を減らす必要がありましたが、電動一輪車の使用により可 搬重量が増え、時間あたりの作業量を効率的に増やすことが可能になった。

定性的な効果 電動一輪車はぬかるみに車輪をとられない

今回の実証実験は雨天の影響により、ぬかるんだ作業現場が試験の舞台となった。 通常の一輪車では降雨後の作業は特にぬかるみに車輪がとられ運搬作業が困難になるが、CuboRexの電動一輪車はぬかるみに車輪をとられることなくスムーズに運搬作業を完遂。現場環境や路面状況に左右されることなく安定して作業効率を向上できた。

実証実験後に取ったアンケートでは、参加した作業員の100%が「今後も電動一輪車を利用したい」と回答した。


作業員の声

電動一輪車の導入による運搬労力の削減は、予想以上に大きかったと感じています。 作業自体が楽になったのはもちろんのこと、運搬作業に対しての心構えに大きな変化が見られました。通常追加作業が発生すると疲労感からネガティブな気持ちになりがちでしたが、作業が大幅に楽になったことで、突発的な追加作業にも前向きに取り組むことができます。

品質や安全面にも影響することなので、精神的に作業への抵抗感がなくなることは非常に大きい効果です。


今後の展望

今回の実証実験を通じて、電動一輪車の導入が作業効率の向上と作業員の負担軽減に貢献し、ロボティクス による現場の課題解決の可能性が明らかになった。この成果は、現場の「キツい」をロボティクスで軽減するという当社のミッションを体現するものであり、CuboRexは今後も、建設業界と協力を深め、建設作業現場のDXを促進し、より安全で効率的な作業環境の実現を目指すとしている。

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ロボスタ編集部

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