災害時には迅速かつ詳細な情報を得るために、XなどのSNSが利用する人が増えている。その一方で偽情報やフェイクニュースなどが拡散され、その結果、情報が錯綜したり、避難や救助が遅れるケースに繋がる可能性もある。生成AIなどを利用した偽情報は巧妙化していて、その真偽を見極めるのはより難しくなっている。
NTTドコモ モバイル社会研究所は、2023年11月に全国の15~79歳男女に対して『2023年防災調査』を実施。その中で災害情報のX(旧Twitter)で発信・拡散についてまとめたものを発表した。対象は8,991人。
Xで災害情報を発信・拡散した経験がある人は、偽情報を見分ける自信が高い傾向
Xを用いて災害情報を発信・拡散した経験の有無と、偽情報を見分ける自信の有無の関係を分析した。
その結果、災害情報の発信・拡散をしたことがある人は、偽情報を見分ける自信がある割合が高い傾向であり、発信・拡散がある人は、ない人と比較して、偽情報を見分ける自信がある割合が25ポイントも差があった。
若年層の中で、Xで災害情報を発信・拡散した経験がある人は、偽情報を見分ける自信がより高い傾向
災害時に、Xを利用して災害に関する情報を発信或いは拡散をおこなった経験が多い10~20代について、発信・拡散と偽情報を見分ける自信を合わせた結果を示す。発信・拡散をしたことがある人の中で、偽情報を見分ける自信がある割合は、全体より高い傾向だった。
発信した経験がある人の方が、より偽情報を見分ける自信が高い傾向
発信と拡散を分け、偽情報を見分ける自信を合わせて見たところ、発信した経験がある人の方がより偽情報を見分ける自信が高いという傾向が出た。
発信・拡散した経験がある人の半数はファクトチェックを知らない
偽情報の発信や拡散を防ぐためにも、ファクトチェックなどの対策が求められるため、Xで災害情報を発信または拡散した経験がある人がどれくらいファクトチェックを知っているのか分析した。
また、Xで災害情報を発信・拡散した経験とファクトチェックの理解をあわせてみたところ、発信・拡散をしている人は、用語の理解が他と比較し高いが、理解していない・聞いたこともない人が半数を超えていた。
同様に災害情報の真偽を見分ける自信とファクトチェックの理解を合わせて見たところ、真偽を見分ける自信がある人の35%は、ファクトチェックを理解していない・聞いたこともないと回答した。
災害時には迅速かつ詳細な情報を得るために、XなどのSNSが利用する人が増えているが、一方で偽情報・フェイクニュースなどが拡散される課題もある。また、生成AIなどを利用した偽情報は、巧妙であり、その真偽を見極めるのがより難しくなっているが現状だ。
情報を広める時、真偽を見分ける自信があるからといって、安易に拡散するのではなく、発信元の確認(ファクトチェック)などを行うなどし、偽情報を拡散しないことに努める必要がある。
調査概要―「2023年防災調査」―
調査方法 | Web |
---|---|
調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 8,991 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2023年11月 |
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