ロボットを遠隔で一括管理・操作 TOPPANのデジタルツイン「TransBots」を国内最大のオープンイノベーション支援施設「STATION Ai」が採用

TOPPANホールディングスは、3次元仮想空間を利用して異種複数台のロボットを遠隔で管理・操作できるデジタルツインソリューション「TransBots」を開発している。
このたび、STATION Aiが2024年10月に愛知県名古屋市鶴舞に開業する国内最大のオープンイノベーション支援施設「STATION Ai」において「TransBots」が採用されたと発表した。

サービスロボット活用の課題

近年、労働人口の減少に伴い、清掃、警備、配膳、運搬など様々な分野でサービスロボットの活用検討が進んでいる。しかしながら、ロボットやその操作システムはメーカーや機種によって異なり、異種複数台のロボットを一括で操作・管理することが困難であり、またエレベーターなど設備との連携や建物の構造に合わせたロボットの動作範囲の調整に時間がかかるなどの問題がある。

TOPPANホールディングスはこの様な問題に対し、構築されたデジタルツイン環境上から各ロボットを遠隔で一括管理・操作することを可能にするデジタルツインソリューション「TransBots」を2021年より開発している。


左:STATION Ai概観 / 中:ロボット管理ソフト画面(©TOPPAN Holdings Inc.) / 右:稼働する運搬ロボット


STATION Aiとは

このたび「TransBots」の採用が決定した「STATION Ai」は、2024年10月開業の国内最大のオープンイノベーション施設として、ロボット開発を行うスタートアップ事業、ロボットを導入したいユーザー企業やロボットのシステムインテグレーター企業(ロボット導入・運用を行う企業)などによる実証事業を実施しやすい、国内屈指のロボットフレンドリーな環境を目指している。

「STATION Ai」開業にあたって、TOPPANホールディングスは施設内の空間を3次元計測し、設計用BIMデータと組み合わせて3次元仮想空間を構築。運搬ロボット「THOUZER E2 TOPPANカスタム」2台、ソフトバンク株式会社で開発しているサイネージ機能を搭載した自律走行ロボット「Cuboid」1台を「TransBots」に接続し、円滑なロボット運用を可能にした。

今後は「STATION Ai」に入居するスタートアップ企業と連携した実証実験をはじめとした共創活動を計画しており、新たなサービスロボットの社会実装の促進に貢献していく。


「TransBots」の特長

ロボットや様々な情報を3次元仮想空間上にリアルタイムで可視化し一括管理

ロボット管理・操作ソフトの画面 © TOPPAN Holdings Inc.

TOPPANグループの長年の研究開発で培った3次元計測やVR技術を用いて、施設の3次元仮想環境を再現し、各ロボットを直感的かつ遠隔で管理・操作することが可能。また、ロボットだけでなくIoTセンサなどの情報提示や外部Webサービスへのリンクの付加など様々な情報の可視化も期待できる。

マイクロサービスアーキテクチャにより柔軟なアプリケーション構築が可能

ロボットに装着されたタブレットの操作用モバイルアプリケーションの画面 © TOPPAN Holdings Inc.

「TransBots」はクラウドをHubとして分散した管理PC、モバイルデバイス、ロボット、各種デバイスなどの機器間を軽量な通信プロトコルを用いてつなぐマイクロサービスアーキテクチャを採用している。これにより、各機器だけでなくAIエンジン(人物検知・音声認識)などの外部サービスの情報も集約して、複数の柔軟なアプリケーション構築を実現する。

今後の展開

TOPPANホールディングスは、デジタルツイン技術を活用して今後様々なロボットや設備・IoT機器と連携するために「TransBots」の機能を拡充し、オフィス、空港、駅、倉庫、工場などでの労働生産性向上に向けた課題解決を支援するとしている。

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ロボスタ編集部

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