ソニーとNECが戦略的協業 エッジAI技術と顔認証ソリューションで共同開発 逆光でも顔認証でき、精度を維持しながら軽量化

ソニーセミコンダクタソリューションズとNECは、「簡単導入」と「安全・安心」を実現する顔認証ソリューションを共同開発するべく、戦略的協業を開始する。報道関係者や証券アナリスト、機関投資家などが対象のイベント「NEC Innovation Day 2024」で、イメージセンサー 一体型ソリューションを改めて発表した。

センサーモジュールはこんなに小さい。NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO西原 基夫氏の講演でお披露目

具体的には、業界をリードするソニーセミコンダクタソリューションズのイメージセンサーによるエッジAIセンシング技術と、NECが持つ世界No.1の顔認証技術を組み合わせることで、幅広いシーンに最適化が可能で、かつプライバシーに配慮した顔認証ソリューションを共同開発するとしている。


「NEC Innovation Day 2024」のNECのCTO西原氏の講演の中で、ソニーセミコンダクタソリューションズの柳沢氏が動画でエンドースメントを寄せた。

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 システムソリューション事業部 事業部長 柳沢英太 氏


逆光などの環境下においても高い精度を維持し、かつプライバシーに配慮した顔認証ソリューションの開発進める

ソニーセミコンダクタソリューションズとNECは2022年から物流領域における協業を進めており、ソニーセミコンダクタソリューションズの画像処理技術とNECの物流・製造向けの各種ソリューションを組み合わせることで、「物流2024年問題」や「サプライチェーン強靭化」などの課題に取り組んできた。


本パートナーシップによる新たな取り組みとして、今回、両社が有する最先端技術を組み合わせることにより、これまで難しいとされていた逆光などの環境下においても高い精度を維持し、かつプライバシーに配慮した顔認証ソリューションの開発を進める。加えて、システムの設置や運用を効率化することで、入退管理・セキュリティ用途を軸にオフィスや物流からリテールやモビリティなどの領域まで幅広い業種やシーンでの活用をめざす。今後、2025年度中の販売を目標に開発を推進していく。

協業でめざすソリューションの特長

エッジAI技術の活用で設置環境の影響を受けにくい高い精度の顔認証を実現

本ソリューションで使用するAIカメラは、「AITRIOS」プラットフォームとして提供し、エッジAIセンシング技術を搭載する。


今回NECが新たに開発した、光環境の変化に強いAIモデルと連携することで、シーンに応じて画質をリアルタイムに最適化し、小型カメラ内で顔の特徴量を抽出する。両社はこれらの技術を活用することで、逆光などさまざまな光環境下でも、現場におけるカメラごとの設定調整や運用の手間を簡易化し、低コストかつ高い精度の顔認証ソリューションの実現をめざす。



プライバシーとセキュリティに配慮した顔認証

このソリューションは、エッジAIセンシング技術を搭載のAIカメラが抽出した顔の特徴情報をクラウドに送信し、NECの生体認証ソリューション「Bio-IDiom Services」を組み合わせることで顔認証を実現。AIカメラにはなりすまし対策機能も搭載し、プライバシーやセキュリティに対する要求の高いユースケースでの活用が期待される。


両社のコメント

当社は、イメージセンサーを軸とした革新的なエッジAIセンシング技術に強みを有しており、さまざまな産業に対する新しい価値提供や課題解決に取り組んでいます。NECが有する、革新的な生体認証技術やシステム開発・導入に必要な技術およびノウハウと、弊社のエッジAIセンシング技術を融合させ、両社で社会課題の解決に挑戦できることを大変喜ばしく思います。


日本電気株式会社 Corporate SVP 兼 製造ソリューション事業部門長 清水一寿 氏

当社は、ソニーセミコンダクタソリューションズとの戦略的協業により、NECの価値創造モデル「BluStellar(注4)」における革新的なソリューションの提供を加速できるものと考えています。これにより、幅広い産業や業界の枠に捉われないさまざまな課題の解決・DXの加速をリードしていきます。社会の人々が、両社の生体認証・画像技術を最大限に活用できるモデルの創造をめざします。


ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム