NEC 複雑な図表を読み取り、図表の構造を理解し、自動でデータ化するサービスを来年1月から提供へ マルチモーダル資料をRAGで最大限に活用

NECは、報道関係者や証券アナリスト、機関投資家などが対象のイベント「NEC Innovation Day 2024」において、「さまざまなマルチモーダル資料をRAGで最大限に活用する機能」を、自動でデータ化し利活用できるサービスとして2025年1月より提供することを発表した。
NECは、金融・医療・製造業を中心とした顧客に向けて、このサービスを活用した新たな価値を創造し、生成AI関連事業において2025年度末までに約500億円の売り上げを目指す考えだ。

「NEC Innovation Day 2024」で新技術への取り組みを発表するNEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO西原 基夫氏

この機能は、図表などの読み込みが可能で、図表の構造を理解することでテキストの流れを正しく理解することができるという。また、図表に含まれる暗黙のルールを読み取り、正確な情報を抽出することで、大規模言語モデルなどのAIの理解度が向上する。



専門業務の自動遂行を加速従来は多くの時間をかけて人手で行っていた複雑な「図表の読み取り作業」を、情報を損なうことなく、自動でデータ化し利活用できるため、生成AIで活用可能なデータの種類を広げ、適用業務の拡大を進めるとともに、顧客の業務変革の実現に貢献していくとしている。


文字や図表の間の位置関係で表される文脈を自動で正確に読み取る

昨今、様々な企業や公共機関が生成AIを活用した業務変革を進める中で、業務における生成AI活用の拡大に向けては、業務マニュアルや商品カタログなど、多くの図表を含む書類の活用が期待されている。

本サービスの位置づけ

複雑な図表の読み取り作業は、これまで多くの時間をかけて人が行ってきた。AIによって自動で読み取る技術もあるが、文字の読み取りや図表の判別などに機能が限定され、文字や図表の間の位置関係によって表される文脈を理解することができなかった。


図表の位置関係を鑑みて、「モビリティ性が低いこと」と「画面サイズが大きいこと」を理解する

今回NECが発表したサービスでは、図表の意味や形式を考慮した処理を行うことで、文字や図表の間の位置関係によって表される文脈を損なわずに、自動で正確に読み取ることが可能となる。これにより、業務マニュアルや商品カタログのように図表を多く含む書類の生成AIでの活用が加速し、回答の正確性を高めるとともに、図表を活用したユースケースの拡大が促進されるとしている。

専門性の高い図表も読み取り可能

本サービスで扱える図表例

また、損益計算書やプロセスフロー図、組織図など、専門性の高い業務特化した図表をデータ化し、AIのファインチューニングに必要な追加学習や、RAGと呼ばれる社内文書検索システムに活用することで、専門業務に特化したAIを構築することが可能になり、これまでは対応ができなかった高度なタスクの実行を実現することも可能となる。

NECは、金融・医療・製造業を中心とした顧客に向け本サービスを活用した新たな価値を創造し、生成AI関連事業において2025年度末までに約500億円の売り上げを目指す。

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日本電気株式会社

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