NECが顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発 数千万人規模の認証を屋内外問わず高速かつ高精度に実現
NECは、小型で幅広い用途へ展開可能な顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発した。本技術により、既存のPCやタブレット端末にカメラモジュールを接続するだけで、数千万人規模の認証を屋内外問わず高速かつ高精度に実現する。
今後は本技術の開発・実証を進め、金融、リテール、エンターテイメント業界の決済、入退管理などの用途を見据えて、2026年内の提供を目指す。
ノイズを多く含む低解像度の画像でも虹彩認証が可能に
近年、生体認証は世界中で広まりつつあるが、特に金融や決済など厳格な本人確認が求められるシーンでは、カードの提示やパスワード入力と組み合わせた二要素認証を実施しているケースが多くある。しかしカードやパスワードは、忘れる、無くす、盗まれるといった懸念があり、これらを用いずセキュアに本人確認を実施する需要が高まっている。
NECは、世界No.1の認証精度を持つ顔認証技術と虹彩認証技術を有しており、2023年には顔認証用と虹彩認証用の各カメラを搭載し、処理用のCPUや表示画面も含めた顔・虹彩マルチモーダル生体認証ソリューションを専用端末として提供している。
今回、同一人物の高品質と低品質の画像を複数セット用意し学習することで、高品質画像から抽出できる虹彩の特徴量を低品質画像からでも推定可能な技術を世界で初めて開発。本技術を用いることで、顔認証用のカメラで撮影したノイズを多く含む低解像度の画像でも虹彩認証が可能となった。
また、本技術により1台のカメラで撮影した画像で顔・虹彩の両方の認証が可能であり、利用者の目の位置にあわせたカメラの位置調整を不要とすることで、高速な認証を実現する。また小型なカメラモジュールにより、POSレジやATMなどへの組み込みの他、タブレット端末などへ取り付けて持ち運ぶことができるようになり、屋内外問わずより幅広い用途で顔・虹彩マルチモーダル生体認証の導入が可能となる。
NECは今後も業種横断の先進的な知見と研ぎ澄まされた最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導くとしている。
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日本電気株式会社
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