NTT-ATと安藤ハザマ 建設現場の監視カメラ映像でAIが危険を検知 安全意識向上に向けた取組みの実証を開始

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)と安藤ハザマはAI画像解析技術による危険行動検知システムを開発。建設現場の監視カメラ映像を用いて安全意識向上に向けた取組みの実証を開始したと明らかにした。



作業員の安全意識の向上へ

建設現場では、作業員の安全意識が低い場合、事故の発生リスクが高まる傾向があるため、作業員に対する安全意識の啓発が重要である。しかし、安全研修やヒヤリハット共有などの教育による対策は自身の問題として捉えにくく、また、昨今の人手不足により、現場において作業員の危険行動に対する行き届いた安全指導が難しいことが課題となっている。

そこで、AI画像解析技術を用いて、建設現場に設置されている監視カメラの映像に映り込む作業員の危険行動を検出し、検出した危険行動を作業員本人に知らせることで、日々の危険行動を自身で確認することができる本システムを開発した。



システムの概要

開発されたシステムでは、建設現場に設置された監視カメラ(クラウドカメラ)の映像データをAIクラウドサーバーが読み込み、AI画像解析機能が、映像データから作業を行う人物の姿勢を識別し、危険行動にあたる姿勢を判定する。






また、(映像データ、発生位置、危険行動の種類)を蓄積する。



作業員は、専用のWebアプリケーションを使用して、自分の危険行動の情報を閲覧することが可能となっている。

実証の内容

1:概要

本実証では、室内工事における立馬作業の転倒・転落事故につながる危険行動を本システムの検知対象として、当該作業が行われる複数か所の建設現場に本システムを導入。実証場所となる建設現場に設置された監視カメラに映る作業の映像をAIクラウドが取得し、転倒・転落事故につながる危険行動を検出する。

2:方法

実証方法は、モニターとなる当該建設現場の職長や作業員が、当日の作業終了時もしくは翌日の作業開始時に、本システムを使用して危険行動の検出情報(映像データ、発生時間、危険行動の種類)を閲覧し、自己の危険行動について振り返りを行い、自身で是正することを基本行動として実施する。

3:期間

実証期間は1か月間を予定。

3:検証

実証期間終了後に、検出対象とした作業についての安全意識の向上やシステム利用に関して、作業員や職長、現場管理者によるアンケート評価を行うとともに、実証期間中の検出結果についての精度確認を行う。

実証の確認項目

本システムの建設現場への導入における効果について、主に「運用」と「技術」の観点から確認する。

運用の観点 ・作業員の安全意識の向上について確認
・作業員の危険行動の是正について確認
・作業員の本システム利用の業務負担について確認
・管理者の本システム利用の業務負担について確認
技術の観点 ・検出正誤について確認
・検出正誤の条件について確認
・監視カメラ1台の検出範囲について確認


今後の予定

今回の実証の結果を通じて、建設現場における日々の安全意識のさらなる向上をめざし、本システムの現場導入や検知精度の向上、検知対象の拡張などに向けて検討と開発を進めるとしている。

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ロボスタ編集部

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