【世界最小・最軽量】ソニーがLiDARデプスセンサーを商品化 アルミ筐体で堅牢、ロボットやドローンなどへの組込で活用を広げる

ソニーは、小型の産業用カメラXCシリーズの開発で培った小型化技術やレンズの光学技術など、ソニーの持つさまざまな技術や知見を活用し、高い測距性能と、世界最小・最軽量(幅29mm×高さ29mm×奥行31mm、質量50g)の筐体を両立するLiDARデプスセンサー『AS-DT1』を商品化すると明らかにした。

『AS-DT1』は2025年4月23日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される、「Japan DX Week」のソニーブースに出展される。

配膳ロボット・自律走行搬送ロボット・ドローンどの活用範囲広がる

『AS-DT1』は計測精度や距離分解能、測距レンジにおいて高い性能を発揮する「Direct Time of Flight(dToF)方式」のLiDARデプスセンサー。


Direct Time of Flight方式の原理

SPAD(Single Photon Avalanche Diode)センサーを組み込んだ独自開発のdToF測距モジュールを採用し、距離の計測に複数の測距点を用いることで、縦、横、奥行の3次元での距離を正確に測定することができる。
また、『AS-DT1』は他の測距方式では検知が難しい、低コントラストの被写体や反射率の低い被写体までの距離を測定することもできるため、人や什器といったさまざまな対象物が想定される店舗などの環境においても、正確に距離を測定することが可能。

対象物までの距離を屋内外問わず正確に測定できることに加え、小型軽量かつ、金属製の堅牢な筐体を実現しているため、飲食店の配膳ロボットや倉庫の自律走行搬送ロボット、点検や調査で活用されるドローンといったさまざまな機器に組み込むことで、活用の範囲が広がる。

人手不足やインフラの老朽化などの社会問題が顕在化する中、人の暮らす環境のより近くでロボットを活用したいというニーズはますます高まっており、ソニーは『AS-DT1』の商品化により多様な業界のニーズに応え、安心・安全に社会と共存できるオートメーション化をサポートするとしている。

『AS-DT1』の主な特長

高い測距精度と距離分解能


活用イメージ

SPADセンサーを組み込んだ、独自開発のdToF測距モジュールを採用することで、高い測距精度と距離分解能を実現。10mの距離からの計測で、屋内外ともに±5cmの誤差で測距が可能だ。
また、dToF方式以外の測距方式では難しい、さまざまな対象物までの距離を正確に測定することが可能。低コントラストの被写体や反射率の低い被写体、宙に浮いた対象物なども正確に測距可能なため、多様な対象物が混在する店舗や倉庫などの環境で使用されるロボットへの組み込みにも活用できる。

長い測距レンジ


活用イメージ

屋内で40m、真夏の晴天の屋外(10万ルクス想定)で20mの遠距離からでも正確な測距が可能。屋外でも遠距離から正確な測距が可能なため、橋梁や高速道路、ダムといった、人が近づきづらい対象物の測距にも活用できる。

小型軽量かつ堅牢な筐体


筐体イメージ

幅29mm×高さ29mm×奥行31mm、質量50gの、世界最小・最軽量を実現。筐体にはアルミニウム合金を採用することで、軽量化と堅牢性を両立している。デプスセンサーを組み込めるスペースが限られた自律移動ロボットや、重量が飛行距離に影響を与えるドローンなど、さまざまな機器に組み込みやすい筐体となっている。

仕様

HFoV 30°以上(数値は暫定数値であり、最終仕様と異なる場合があります。)
最大測距距離
@15 fps、50%反射、中心
屋内:40 m
屋外:20 m
(数値は暫定数値であり、最終仕様と異なる場合があります)
測定精度
@10m
屋内外ともに±5cm
(数値は暫定数値であり、最終仕様と異なる場合があります)
距離分解能 0.25mm
フレームレート 30fps
15fps@最大測距距離モード時
測距点数 576(24×24)
レーザー波長 940nm
外形 W29 X H29 X D31 mm(突起部除く)
(数値は暫定数値であり、最終仕様と異なる場合があります)
質量 50 g以下
(数値は暫定数値であり、最終仕様と異なる場合があります)


関連サイト
ソニー株式会社

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