
様々なコミュニケーションロボットやIoTプロダクトを企画・開発するユカイ工学株式会社が新たな無人受付案内システムを開発、2025年5月1日より、中央日本土地建物グループのワークプレイスR&D拠点「NAKANIWA」における運用を開始した。
これはユカイ工学が手掛けるコミュニケーションロボット「BOCCO emo」とピーディーシー株式会社が提供するデジタルサイネージプラットフォーム「OneGATE」を連携したシステムになる。
来場者の発話内容を基に生成AIを活用してBOCCO emoが回答を生成し発話。関連する動画等のコンテンツをサイネージ画面に表示することにより、来場者固有の関心事に合った情報をインタラクティブに提示するというもの。
「NAKANIWA」では、同施設のコンセプトや同社グループが推進する不動産開発プロジェクトの紹介、近隣のランチ店舗などの情報から提供を開始する予定だ。
システムの特徴
ロボットとの対話とサイネージコンテンツを連携させたインタラクティブな情報配信
「BOCCO emo」と来場者の対話をきっかけにサイネージに着目させる
来場者がBOCCO emoの録音ボタンを押して話しかけることでインタラクションがスタート。予めシステムに登録した資料の中から発話内容を自動生成して「BOCCO emo」が回答する。愛嬌のあるBOCCO emoとシンプルなインターフェースにより幅広いユーザー層に対してリーチでき、質問内容に即した対話応答により楽しく情報に触れさせることでデジタルサイネージでの配信情報へとつなげる。
BOCCO emoの音声と連携して関連コンテンツをデジタルサイネージに表示
来場者が興味を持ったコンテンツに対する視覚情報からの補強として、回答の発話タイミングと合わせてデジタルサイネージに情報を表示していく。
表示するコンテンツはあらかじめシステムに登録された画像や動画、質問内容から抽出したキーワードを基にweb検索した結果など。
会話、音声ベースのBOCCO emoとサイネージの視覚情報でマルチモーダルなコミュニケーションが可能になっている。
高い自由度と拡張しやすい管理システム
このようなシステムでよくあるのが、運用開始後、化石のように更新されない情報見せ続けられることだが、この点についても気を払ってある。
管理者は来場者の質問内容など、対話履歴や属性をクラウド上のスプレッドシートで簡単に確認することができ、質問内容に即した回答の作成に必要なデータの追加をタイムリーに行うことが可能。
サイネージのコンテンツに関しても来場者の属性に合わせたコンテンツ配信やリモート管理機能による配信コンテンツ更新が容易になっている。
中央日本土地建物の担当者が語るシステム導入の狙い
このシステムを導入したスペース、「NAKANIWA」は2023年10月に開設されたワークプレイスのR&D拠点だ。自然とのつながりを重視し、五感を刺激する空間設計を導入。
『「ワークスペース」「人」「環境」の3つの軸で、ワーカー(人)のエンゲージメントやサステナビリティへの貢献に加え、コミュニケーションを促し、パフォーマンスを最大化する空間・機能・サービスを研究・開発しています。』とのこと。
事業統括部 イノベーション開発室 松井氏は「担当者不在時、各空間のデザインや設計意図を来訪者に伝える方法」として既存のデジタルサイネージとも容易に連携可能で、ロボットとの対話を通じて検索ができる優れた操作性などを挙げ、デジタルマーケティングの新たなアプローチとしての期待を語っている。
たしかに「空間に込められた意図」を読み取ることは難しく、上に挙げたようなハイコンテキストなものであればなおさらだ。
開設後、蓄積されたコンテンツなどを見直し、再活用していくにあたって、このシステムのように柔軟でフィードバックを得やすいシステムを選択したのは間違いではないだろう。
今後もロボット、生成AI、IoTなどを統合したUXを模索し続けるユカイ工学のニュースを注視していきたい。
2023年10月に開設したワークプレイスのR&D拠点「NAKANIWA」(港区西新橋一丁目)は、自然とのつながりを重視するバイオフィリックデザインを採用し、保有林の間伐材を建材や家具として使用するなど、五感を刺激する空間設計を導入しています。「ワークスペース」「人」「環境」の3つの軸で、ワーカー(人)のエンゲージメントやサステナビリティへの貢献に加え、コミュニケーションを促し、パフォーマンスを最大化する空間・機能・サービスを研究・開発しています。
住所:東京都港区西新橋一丁目7-1 虎ノ門セントラルビル 9 階
URL :https://www.chuo-nittochi-nakaniwaproject.com/
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ユカイ工学
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