トヨタ自動車株式会社 未来創生センターは、World Robot Summit(WRS)のグローバルパートナーとして、2025年12月12日(金)~14日(日)に開催される「World Robot Summit 2025 AICHI」に参加する。
そこでは、協働パートナーロボットの『ELEY』(エリー)など、数種のロボットを展示することを発表した。

また、「World Robot Summit 2025 AICHI」サイドイベント「あいちロボフェス」では、院内搬送ロボット『Potaro』(ポタロ)も展示する。
次世代のパートナーロボット『ELEY』
『ELEY』は、Embodied Learning robot for Enhanced Yieldの略称。
トヨタ自動車が2012年に発表し、ロボカップやWRSなど様々な舞台で活躍し、世界40を超える研究機関とコミュニティを形成してきた生活支援ロボット『Human Support Robot(HSR)』の新型にあたる。

トヨタは「人と同等の身体性を持ったロボットへの要望が高まってきました。パートナーロボットELEYは、人のような二本の腕が特長で、巧みな動作でモノを組み立てたり、片手で箱を開けながらもう片方の手でモノを取って箱の中に入れたりすることが可能です。
またHSR同様、身長が伸びるため、床に落ちているものを拾ったり、高い場所まで手が届いたりします。全方向へ自由に動き回れる台車を備え、素早く目的の場所へ自律移動することが可能です。
小型で安全性を追求し、人との親和性を目指しています。未来創生センターは、パートナーロボットの開発を通じて、安心で持続可能な社会づくりに貢献していきます」
と語っている。
スペック
L 478mm
W 450mm
H 939~1,619mm
重量 50kg
AIバスケットボールロボット『CUE(キュー)』
CUEは、トヨタ自動車の自主活動であるトヨタ技術会でのAI研究から始まった。
AI学習に必要なデータ量を議論している際に、メンバーの1人が口にした有名なバスケットボールの漫画の名セリフ「(シュート練習)2万で足りるのか?」から「AIで100%シュートを決めるロボットができたらすごくないか!?」というアイデアが生まれ、AIバスケットボールロボットの開発が動き出した。

2017年の初代CUEの開発開始以降、現在までに連続フリースロー2020回成功と、24.55mの超ロングシュートで2つのギネス世界記録を獲得した。
またCUEはプロバスケットボールチーム アルバルク東京にも選手登録されており、2020年Bリーグ2019-20シーズンBREAK THE BORDER賞を受賞している。2021年夏、東京オリンピックでも試合のハーフタイムにロングシュートを披露し、観客を驚かせた。
最新のCUEは、ショートだけでなくパスやドリブルもできるようになり、進化を続けている。World Robot Summitの実演・体験フィールドではCUEのシュートなどを披露する予定。
『トミーくん』
トミーくんは、トヨタ自動車のオウンドメディア「トヨタイムズ」のキャスター、富川悠太氏を模して開発されたロボット。

30個のモーターを使った動作や表情による全身表現と、富川キャスターの性格、知識、声色をインプットしたAI音声対話によるインタラクションが可能。現在、トミーくんはトヨタ自動車本社にある企業展示施設「トヨタ会館」で常設展示されている。未来創生センターは、人とトミーくんのコミュニケーションを通じて、人とロボットのインタラクションのあり方を研究し、トミーくんをより深いコミュニケーションができるロボットに成長させることを目指している。
スペック
身長 90cm
体重 14.6kg
ピッキング・組み立て技術『組プロ・ロボット』
未来創生センターでは、未来に向けた取り組みの一環として、最新技術の実応用を進めており、その1つとして工場への応用に取り組んでいる。
今回は、トヨタ自動車東日本株式会社(TMEJ)の工場で実際に稼働している安価なカメラを用いたバラ積み部品の取り出し作業と、今後導入を想定した組立工程の挿入作業を模した展示を行う。

TMEJは東日本大震災の経験から「自分たちの手で設備を作り、復旧できる工場」を目指し、設備コスト削減や復旧時間短縮、自社実装の柔軟性を追求。未来創生センターはその想いに共感し、モノづくり技術を共創で開発し、TMEJの内製開発力の強化を支援しているという。また現在は支援の場を広げ、トヨタグループの開発力向上も目指している。
トヨタ記念病院で導入されている院内搬送ロボットPotaro
「World Robot Summit 2025 AICHI」サイドイベント「あいちロボフェス」では、院内搬送ロボット『Potaro』(ポタロ)を展示する。未来創生センターはロボティクス研究を通じ、人とロボットが共存する社会の実現を目指す。







