パナソニックと千葉工業大学(fuRo)が次世代ロボット掃除機で強力タッグを組む理由

パナソニックと千葉工業大学が、最先端の人工知能(AI)技術、自動操縦技術およびロボット技術を搭載し、高度な知能化白物家電へと進化させた次世代ロボット掃除機のコンセプトモデルを共同開発したのは既報「関連記事 「パナソニック、fuRoと開発中のロボット掃除機コンセプトモデルを公開 業務用ロボット掃除機「RULO pro」のセミナーも」(森山和道)」のとおり。

実は、パナソニックと千葉工業大学は2017年12月に次世代ロボティクス家電の技術開発を目的として、千葉工大 津田沼キャンパス内に「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」を設立している。

同センター所長も兼ねる、千葉工大 fuRoの古田貴之所長による指揮の下、両者のエンジニアが大学と企業の垣根を超えて合同で開発を進めていて、「最先端の人工知能(AI)技術、自動操縦技術およびロボット技術」を搭載し、高度な知能化白物家電へと進化させた次世代ロボット掃除機のコンセプトモデルの共同開発の発表を2018年11月1日に行ったわけだ。


千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo・フューロ)について

未来ロボット技術研究センター(fuRo・フューロ)は3つの柱を掲げている。
ひとつは、未来のロボットの研究開発、2つめは産学連携をしながらロボットの新産業を立ち上げること、3つめがロボットのプロダクトデザインとは何かということだ。今回のパナソニックとの発表では未来の研究開発と、それを産業に素早く移行するという明確な意思を感じとることができる。

日本の工科系大学で最も長い歴史を有する千葉工業大学のロボット研究所(所長:古田貴之博士)。今年のRoboCup2018 でテクニカルチャレンジ部門にて優勝し7連覇を達成、自動操縦技術を競う「つくばチャレンジ」では唯一の3年連続ミッション達成など、高度な人工知能技術、自動操縦技術を有する。
一方、福島第一原発の事故では世界で唯一、原発建屋内の全フロアを走破できるロボットを開発し提供、政府の冷温停止ミッションなど数々の成果を達成。今年7月には日米にて、ロボットから乗り物へと自動変形する未来の乗り物「CanguRo」(カングーロ)を発表、大きな反響を生んだ。機械・電気回路設計から高度なセンシング・人工知能・センシングまで、ロボット技術のすべてを高レベルで研究開発および統合することを得意とする。

ロボットから乗り物へと自動変形する未来の乗り物「CanguRo」(カングーロ)。発表時に大きな話題を呼んだ。関連記事「【動画あり】バイクに変形するロボット「CanguRo」千葉工大fuRoが開発 人機一体の操作性


約3ヶ月で開発

千葉工大 fuRoがロボット開発で培ってきたソフトとハードの基幹モジュールの活用およびその統合開発のプロセスと、パナソニックが長年培ってきた、信頼性の高い家電製品の企画・開発力を掛け合わせ、ソフトとハード統合しながら短期間で試作と改善を繰り返すアジャイル開発に挑み、高度な知能化白物家電の開発では革新的な約3か月という短期間で完成。

同コンセプトモデルのデザインは、世界的なプロダクトデザイナーの山中俊治氏がパナソニックのデザイナーと共同で創作。デザインとエンジニアリングの双方でオープンイノベーションを推進したことも同開発プロセスの特長だ。

両社は、ユーザーの暮らしに寄り添う家電製品が、AIやIoT、ロボット技術と融合し高度化することで、様々な機器やサービスと連携して、より安心・便利で豊かな体験を提供できると考えており、今回導入した開発プロセスを、他の知能家電の開発にも展開し、よりよい暮らしの実現を目指していくと述べている。



次世代ロボット掃除機の主な特長

今回、発表になったコンセプトモデルのロボット掃除機には、レーザ距離センサとディープラーニングを用いた床上物体認識技術として世界初の「AI 床センサ」を搭載。床上の物体を認識し、段差に応じて自動的に本体を持ち上げて走行を続けるほか、千葉工大 未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発した高速・高精度なSLAM「ScanSLAM」を活用して、部屋の形状のみならず、室内で動く人も検出。ロボットの全周囲にある動・静物体を認識して、瞬時に自分と相手の位置を把握する知能を備えている。

また、自動操縦技術との組み合わせで、タブレット端末で掃除スポットを遠隔で指示するほか、人と協調して掃除することも可能。同時に、周囲環境と自分の位置を常に正確に把握できるため、確実に充電台に戻ることができることに加え、充電台にドッキングした本体を、電動で縦置き状態に吊り上げる機能も実現した。

次世代ロボット掃除機のコンセプトモデル

次世代ロボット掃除機の詳細は下記の記事も併せて参照。


家じゅう無駄のない動きで賢く掃除。つまずかず、迷わない

fuRo が開発した世界トップレベルの高速空間認識技術「ScanSLAM」と、360°レーザセンサシステムを採用。部屋の形状と同時に室内で動く人まで認識し、従来のロボット掃除機よりも「一段上の環境認識能力」を実現。リアルタイムに空間を検知して地図を構築、走行位置を正確に特定して、家じゅう隅々まで無駄のない動きで効率的な掃除を可能にした。

・「AI床センサ」を搭載し、先端AI技術のディープラーニングを用いて、複数のレーザ距離センサの信号から床面上の物体を認識。ラグなどを検出すると、段差に応じて自動的に本体を持ち上げて乗り越え、つまずかずスムーズに走行を続ける。

・充電台が見えない場所に本体が移動しても、AI技術で常に帰る場所を把握しているため迷うことがない。掃除が終わると走行スピードを上げて充電ステーションに戻ることができる。


意のままに操作できる

「ScanSLAM」による正確な位置情報の把握と、自動車にも使用されている最先端の自動操縦技術の組み合わせにより、タブレット端末を用いて簡単に目的地を指定しての走行が可能だ。更に、動体認識技術とAIによる動き予測制御技術との組み合わせにより、人に寄り添うように追従。掃除して欲しいところを歩けば、ロボット掃除機が追従して掃除してくれる、人とロボットの共同作業のような便利で楽しい掃除体験が実現する。


縦型充電で省スペース化

掃除終了後は、本体と充電台の通信機能で、充電台に正確にドッキングし、自動的に本体を吊り上げて縦置きで充電。従来の横置き充電よりも省スペース化が図れる。

最新技術の研究成果を産業に素早く反映させる「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」の今後の展開に注目していきたい。

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ロボスタ編集部
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