ラジオ局はスマートスピーカーとどう向き合うべきか 急伸する米国音声広告市場の動向 ニッポン放送が「Voice UI Show」で講演

5月31日に開催された「Voice UI Show」でニッポン放送が講演し、音声コンテンツを持っているラジオ局にとってスマートスピーカーはどのような存在で、どう活用しようとしているのか、米国で先行するポッドキャスト広告市場の急激な伸びについても紹介した。




ラジオ局にとってスマートスピーカーとはどんな存在か

登壇したニッポン放送の澤田真吾氏は筑波大学と同大学院で情報工学を学び、ニッポン放送に入社後は、オウンドメディアの構築やオーディオアドの導入、Alexaスキルの構築などに携わってきたと言う。

2017年にスマートスピーカーが日本に上陸した際、ラジコ(radiko)のスキル化もあって「ラジオを聴く人が増える絶好のチャンス」として捉えていたと言う。その後、スマートスピーカーがどれくらい普及するのか注目していたところ、爆発的な伸びが見えていないと感じた。ただ、音声コンテンツを提供しているラジオ局や提供している番組自身が、スマートスピーカーやスキルの普及の一端を担い、キーのひとつであるとして、ニッポン放送もコンテンツ配信に注力していこうという気運にあると言う。

スマートスピーカーの日本上陸を受けて、ニッポン放送はまずAlexaスキル「ニッポンチャレンジドアスリート(ニッポン放送)」をリリース。現在はラジオ業界も市場を担う重要なキーと捉えはじめているという

こうした背景から、ポッドキャスト(Podcast)向けに作成している音声コンテンツ「飯田浩司のOK! Cozy up!」をスキル化した。飯田浩司のOK! Cozy up!はニッポン放送で月〜金曜の朝に放送しているニュース番組で、ポッドキャストのコンテンツとしては月間100万ダウンロードを超えている人気番組となっている。

ポッドキャストで人気のコンテンツのラジオ番組「飯田浩司のOK! Cozy up!」をAlexaスキルとしてもリリース


急拡大するポッドキャスト広告市場

米国ではポッドキャストのコンテンツ群が大ヒットしているが、澤田氏からもその紹介があった。米国では人口の44%(12歳以上)が「ポッドキャストを聞いたことがある」と回答、これは1億2千万人、日本のほぼ全人口と同じ規模へと拡大している。ポッドキャストが流行っている理由として澤田氏は、スマートフォンを通じて利用者が増えていること、付加価値の高い魅力的な人気コンテンツが登場していることをあげた。


実際にあった事件を題材にしたコンテンツや、マーベルのXMENで知られるシリーズ「ウルヴァリン:ザ・ロング・ナイト」がヒット

続いて、澤田氏は米国のポッドキャスト広告の伸びが大きく伸びていることに注目。2017年が約350億円を超えて前年より86%の伸び、2020年には約750億円に達するという予測もある。(米国IAB調べ)

前年比86%と急激に拡大成長しているポッドキャスト広告市場


スキル開発する3つの狙い

ニッポン放送がスキル開発を行う狙いとして「音声コンテンツを聴く文化を育てる」「音声広告のタッチポイントを増やす」「おしゃれ」の3点をあげた。おしゃれについては、ITの最新技術であるスマートスピーカーと連携することで、従来からあるラジオ文化にとってイメージアップに繋がることを期待している。

なお、「飯田浩司のOK! Cozy up!」スキルでは、エピソードを前後にジャンプしたり、「×番目のエピソードを開いて」「×分進めて」といった指示を音声で行うことができる。

■Alexaスキル ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

今後の取り組みとして、スマートスピーカーはラジオ受信機のひとつと捉え「もっと多くのコンテンツをスマートスピーカーで提供していきたい」と語った。また、画面付きスマートスピーカーに注目し、「画面対応も含めた立地なコンテンツの開発」にも取り組みたいとした。
ポッドキャストの利用率、スマートスピーカーの普及率、音声広告の拡大など、米国は日本市場よりはるかに先に進んでいる印象だ。日本市場が追従するかどうかは未知数だが、可能性が大きく拡がっていることを感じたセッションだった。


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ロボスタ編集部
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