NVIDIAと現代自動車が車載AIインフォテインメント(IVI)システムで連携を強化 NVIDIA DRIVEを全モデルに標準搭載 2022年から

NVIDIAと現代自動車グループは2020年11月9日、現代自動車グループのヒュンダイ、起亜、ジェネシスの全モデルにNVIDIAの自動運転車開発プラットフォーム「NVIDIA DRIVE」による車載インフォテインメント(IVI)システムを搭載予定であり、その生産が2022年に開始すると発表した。(上の画像が車載インフォテインメントシステムのイメージ)


現代自動車グループとNVIDIAとの協業は2015年に開始

現代自動車グループは年間400万台以上の自動車を生産する世界有数の自動車グループ。現代自動車グループとNVIDIAとの協業は2015年に始まり、最先端の車載インフォテインメントシステムをNVIDIA DRIVE上で開発、昨年にはこのシステムをジェネシスGV80およびG80モデルに採用している。また、両社は2021年後半にリリース予定の高度なデジタルコックピットを共同開発している。


The Genesis G80

今回の発表では現代自動車グループとNVIDIAの関係がさらに強化され、現代自動車グループの全車両にNVIDIA DRIVEを標準搭載する事によって、将来のアプリや機能をサポートするための能力を統合するという取り組みが示されたことになる。


コネクテッド カー オペレーティング システム「ccOS」の実現

NVIDIAは現代自動車グループが今後発売するモデル全体に新しいコネクテッドカーオペレーティングシステム(ccOS)を投入できるよう取り組んでいる。現代自動車グループが社内で開発した新しいccOSは、車両とそのセンサーネットワーク、および車両外部のコネクテッドカーデータセンターによって生成された大量のデータを統合し、より楽しく便利なエクスペリエンスをドライバーや同乗者に提供する。ccOSには新たにコネクテッドカーサービスプラットフォーム(ccSP)の統合アーキテクチャも組み込まれている。ccSPはさまざまなパートナーが車両所有者向けの関連サービスを提供できるようにするオープンプラットフォームだ。

現代自動車グループは、今後の車両発表に合わせて、IVIやccOSの機能に関する詳細を随時発表する予定。 (以下、参考情報を記載)


よりスマートなナビゲーター

AIとアクセラレーテッドコンピューティングは次世代車両にさまざまな豊富な新機能をもたらす。具体的にはセントラル化された高性能コンピューティングアーキテクチャにより、ソフトウェア定義のAIコックピット機能が実現する。従来はラジオ局を変えたりエアコンの温度を変更したりといった基本的な機能を実行するために、車両インフォテインメントにはいくつもの電子制御ユニットとスイッチが必要だった。これらのコンポーネント(構成要素、部品)をNVIDIA DRIVEのソフトウェア定義AIプラットフォームと統合すると、アーキテクチャが簡素化され、それにより新しい機能を追加するためのコンピューティングのヘッドルームが増える。




AIで安全性が向上

ヒュンダイのような自動車メーカーはNVIDIA DRIVEを中核に据えることで、人命に関わる安全性と利便性の機能を効果的に実装することができる。また、時間の経過とともによりスマートになっていくAIを搭載した車両を提供していくことができる。
こうした機能には例えば、ドライバーや同乗者をモニタリングして、ドライバーが道路の状況から目を離していないことを確認したり(AIによるドライバーの安全運転監視)、降車時に他の車両との接触を回避する機能(AIによる車両の周囲の危険を検知)などがある。また、走行中も車の周囲の情報を明確に提示したり、目的地により早く着くルートや近くのレストランをレコメンドしたりすることで、車の利便性を高めることができる。

現代自動車グループにより、この新しい車載AIの分野がすべての顧客にとって現実のものになろうとしている。現代自動車グループはNVIDIA DRIVEの高性能コンピューティングを活用して、新しいコネクテッド カー オペレーティングシステムをヒュンダイ、起亜、ジェネシスの新車両すべてに展開する。このソフトウェアプラットフォームは、車によって生成された大量のデータを統合して、同乗者ごとにパーソナライズされた利便性と安全機能を提供する。

車載インフォテインメントシステムをNVIDIA DRIVEで実行することにより、無数の車両データが並行で処理、様々な機能が瞬時に提供される。こうしたサービスは車両がインターネットに接続されているかどうかに関係なく提供し、車に乗る人それぞれが安心、安全に乗れるようカスタマイズされ、究極の利便性が実現する。


コメント

現代自動車グループのエレクトロニクス技術部門のシニアバイスプレジデントであるポール チュー(PaulChoo)氏は、次のように述べている。

「現代自動車グループでは、車両のライフタイム全体を通じて、価値、安全性、機能性、楽しさの向上を目指しています。NVIDIA DRIVE プラットフォームは、スケーラブルでエネルギー効率が高く、次世代のソフトウェア定義による車両をサポートする性能が備わっていることが、すでに実証されています。」

NVIDIA の自動運転車担当バイス プレジデントであるアリ カニ (Ali Kani) は次のように述べている。

「NVIDIA は 10 年以上前に、インフォテインメント システムにコンシューマ エレクトロニクスで培った機能やグラフィックスを豊富に使ったユーザー インターフェイスをもたらしました。そして今、NVIDIA は AI の力によるインフォテインメント システムの変革に再び乗り出しています。NVIDIA は、車両のライフタイム全体にわたって顧客満足度を向上し、安全性と価値を高めようとする現代自動車グループの取り組みを支援しています。」
関連サイト
NVIDIA DRIVE

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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