ウイルスを自動殺菌、紫外線照射ロボットの導入事例「横浜栄共済病院」医療機関のインタビュー公開 導入効果や運用方法は?

スマートロボティクスは2020年に紫外線照射ロボットを開発し、販売をスタートした。現在は、病院を中心に全国の医療機関で導入されている。同社は紫外線照射ロボット初の医療機関導入事例である国家公務員共済組合連合会「横浜栄共済病院」(神奈川県横浜市栄区)に紫外線照射ロボット導入の背景やその効果、さらに現在の運用状況についてインタビューを実施し、その内容を発表した。


将来的には、看護師が運用できるようにしたい

横浜栄共済病院は入院患者や来院者が安心して利用できるよう、院内感染対策として、2020年10月よりスマートロボティクスが開発した遠隔操作型の紫外線照射ロボットを導入。スマートロボティクスは初の医療機関導入事例となった。

<ロボット導入に至った経緯>

新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染の可能性がある施設の場合は、清掃業者が対応してくれないことが多く、病院スタッフ(主に看護師)の作業負担が非常に増えた。さらに、自らのウイルス接触リスクによりスタッフの心的不安も増えるなど、大変な状況であった。そこで、院内感染対策およびエッセンシャルワーカーである病院スタッフの感染防止策として、短時間で広範囲のウイルスの減少を期待できる装置を探していたところ、昔から医療現場でも利用されており、その効果がある程度実証されている紫外線灯を搭載したスマートロボティクス社のロボットの導入を決めた。

紫外線照射ロボットの導入台数は1台。運用場所はウイルス陽性患者がいた可能性があると思われる場所(帰国者接触者外来・発熱外来・集中治療室・手術室)。運用は臨床工学技士チームメンバーが次の方法で実施した。将来的には、看護師が運用できるようにしたいとしている。

運用方法
・実施場所をローテーションで決めて対応。
・スタッフの除菌作業前の一次除菌として使用。
・指定場所に着いたら、部屋の外から目指すポジションまで遠隔で移動設置して照射ON/OFF。


看護部長、臨床工学技師長のコメント

Q.導入したことによる効果は?
完全自動化ではないため、どうしても人の手がかかってしまうが、とにかく現場は体力的にも精神的にも疲弊している状況だったため、一次除菌をロボットが対応してくれるだけでも安心感が得られた。院内の環境衛生を担う医療従事者が、紫外線照射ロボットによる一次除菌後に除菌作業を行えることで精神的負担を大幅に軽減することができた。また、院内感染の発生も現在確認されていない。

Q.院内で自走式のロボットが動いている状況に対して、スタッフの反応は?
導入から半年が経過したが、院内でロボットの存在が広く知られ、ロボットに作業の一部を任せることへの受け入れができてきたと感じる。現在は、一次除菌として必要な場所に、ほぼ100%ロボットの作業依頼がくる状況になっている。

<副院長のコメント>

現在、医療業界では手術やカテーテルロボットなどの実証や導入はどんどん進んでいるが、病院内の医療従事者をサポートするロボットなどの自動化は遅れていると感じている。しかし、医療現場においても確実に労働人口の減少は進んでおり、一人当たりの医療従事者の負担が増えることは間違いない。今回のロボット導入をきっかけに、人がやるべき看護や介護業務に集中できるよう、新しいテクノロジーの活用も積極的に取り組みたい。そして、今後も皆様に安心してご利用いただける医療機関づくりに努めていきたいと考えている。

【横浜栄共済病院 概要】

病院名 国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院
横浜栄共済病院は人口12万人の横浜市栄区唯一の救急医療機関として、栄区を中心として近隣地域から、救急搬送を受け入れ二次救急拠点病院としての役割を担っている。
所在地 〒247-8581 神奈川県横浜市栄区桂町132番地
病床数 430床
ホームページ https://www.yokohamasakae.jp/

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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