米Kodiak「NVIDIA DRIVE Orin搭載」自動運転トラックを発表 レベル4の自動運転機能を実現 2028年には運転手が16万人不足

自律走行トラックは地図の作製の負荷を軽減しながらも、周囲環境を確実に認識することが求められる。それこそが自動運転トラックを手掛けるシリコンバレーに拠点を置くスタートアップの米Kodiak Roboticsが、より安全で効率的な配送とロジスティクスの展開を目指すうえで採用しているアプローチ。同社はNVIDIA DRIVE Orinを搭載した第4世代の車両を発表した。シンプルな地図作製機能とディスクリートモジュール式のハードウェア設計を採用し、レベル4の自動運転機能を実現している。
なお、Kodiak Roboticsは2018年に米国で創業したスタートアップで、ブリヂストンも出資している。


KodiakとNVIDIA DRIVE Orinについて

HDマップ(高精細地図)への過度な依存を避け、柔軟なアーキテクチャに重点を置くことで、Kodiakは常に正確でありながらもインストールや変更が容易な自動運転システムの展開を目指している。Kodiakの共同創業者/CEOであるドン バーネット(Don Burnette)氏は「トラック業界では、システムの製造と保守をいかに行うかがきわめて重要になります。全車両が常に稼働していなければなりません」と説明する。

配送需要が高いうえに運転手のなり手不足という2つのプレッシャーを抱える業界にとって、このような容易な適応性は不可欠。ラストマイルテクノロジを手掛けるConvey Inc.によれば、2020年にはe コマースでの注文件数が前年比60%近く増加し、買い物客の36%が当日配送を選択したとのこと。また同時に、トラック業界の離職率(当該年に同分野に入退社した従業員の総数)は92%に上り、米国トラック協会は2028年までに16万人の運転手不足に陥るだろうと予測している。これらの要因が重なり、トラック運送会社は導入しやすく、交通安全も確保できるソリューションを必要としている。

自律走行には自律走行車が現在位置を特定してルート計画を行うための地図が不可欠。工事や新しい経路など、道路状況の変化を反映してリアルタイムに更新することができない既製のHDマップに頼るのではなく、Kodiakの車両は地図を主にナビゲーション目的で使用する一方で、周囲環境を認識する。地図への依存を軽くしたこの手法では、車両が路上の物体や標識などをすべて検知できなければならない。そのようなリアルタイムの認識には、もっとも厳しい安全性基準を満たすよう設計された、高パフォーマンスの集中型AIコンピューティングが欠かせない。

NVIDIA DRIVE Orinは250TOPS以上を実現し、自律走行車内で同時に実行される多数のアプリケーションやディープ ニューラルネットワークを処理できるよう設計されていると同時に、ISO 26262 ASIL-Dなどの体系的な安全性基準を達成している。

NVIDIA DRIVE Orin

NVIDIA DRIVE Orinは確実な意思決定と実行を安全かつセキュアに進めるためのデータとコンピューティングパワーをKodiak Driverに提供する。バーネット氏は「NVIDIA DRIVEのおかげで、車両のコンピューティングを一元化することが可能になり、完全な自律性の実現に向けて安全で安定した経路を提供するのに役立ちます」と話す。


第4世代の自動運転トラックは外観より安全性を重視

Kodiakの自律走行トラックの設計は安全性を重視しており、注目を集めることを目的としたものではない。第4世代のトラックは3か所に設置された一組のモジュール式ディスクリートセンサーを特徴とする。1つはトラック前方のルーフラインに配置されたスリムな「センターポッド」、もう2つは両サイドのミラーに組み込まれたポッド。このような目立たないセンサーの配置により、設置と保守が容易になると同時に安全性も向上する。

「これらのトラックを見かけても、誰もが気付かずに通り過ぎるでしょう」とバーネット氏。オープンでスケーラブルなNVIDIA DRIVEプラットフォームを中心に、このようにディスクリートシステムを構築することで、Kodiakは今後も安全性とセキュリティを犠牲にすることなく、柔軟性とリアルタイム認識に重点を置き続けることができるとしている。

※この記事はNVIDIAが公表したブログを元に生成している。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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