「清掃ロボットの性能規格」を日本ビルメンロボット協議会が策定 TISが策定メンバーに参画
TISインテックグループのTIS株式会社はビルメンテナンスロボットの普及促進活動に取り組む日本ビルメンロボット協議会(以下、JBMRC:Japan Building Maintenance Robot Consortium)が策定した清掃ロボットの性能規格に、策定メンバーとして参画したことを発表した。
清掃ロボットの性能のJIS規格を策定
今回、経済産業省にて制定された清掃ロボットの性能規格は清掃ロボットの性能を標準化する規格(規格番号:JIS B 8463)。JBMRCの業務用清掃ロボット社会実装課題検討ワーキンググループにて進めていた清掃ロボットの性能を標準化する活動において策定された規格で、日本で初めて制定された清掃ロボットの性能規格となる。
JBMRCはビルメンテナンスロボットメーカーが中心となって組織・活動していた「ビルメンテナンスロボット普及促進コンソーシアム」を発展解消して、2018年7月に新たな組織として発足。ロボットメーカーを中心に加盟23社でビルメンテナンスロボットの普及促進活動に取り組んでいる。ビルメンテナンス業界の慢性的な人手不足を解消する解決策の一つとして注目されているビルメンテナンスロボット(清掃ロボット)に関する情報提供やロボット運用体制の構築、費用対効果の検証等を行い、ロボット導入企業の支援を行っている。
TISは運搬、清掃、案内、警備などの業務を担うサービスロボットの活用に向け、企画から導入・運用フェーズまでを支援する「DX on RoboticBase」を提供し、特定のアーキテクチャや仕様・規格に依存しない中立的な立場からアドバイスやサポートを行っている。また、サービスロボットの普及促進に貢献すべくJBMRCに参画し、JIS B 8463策定にあたっては、原案作成委員会及び分科会の運営から原案の執筆、各委員コメントや議論結果の取りまとめ、性能試験に携わるなど主導的な役割を果たした。
清掃ロボットの性能規格策定の背景と目的
オフィスビルなど国内の清掃現場では慢性的な人手不足、清掃員の高齢化、新型コロナウイルス感染拡大予防対策などにより、業務用清掃ロボットの活用機会が拡大している。また、それに伴い、新たなロボットの開発、海外製ロボットの国内市場参入も活発化している。このようにロボットの機種が増えることで、使用者側の選択肢が広がる一方、ロボットの性能に関する基準が存在しないことから、使用者自らロボットの性能を独自に検証し、優劣を判断することが求められている。
しかし、このような状況は機種の増加に伴い使用者の負担も更に増加し、返ってロボットの社会実装を妨げることが危惧される。そのためロボットメーカー及びシステムインテグレーターなど供給者で組成される日本ビルメンロボット協議会を中心に、直接的な使用者であるビルメンテナンス、そのビルメンテナンスに清掃業務を委託するビルオーナーなど、清掃業務に関連する幅広い関係者も委員会に参画し、ロボットに最低限求められる性能について、定量的な評価指標、その試験方法に関するJIS(日本産業規格)を新たに策定した。
使用者側から求められる性能の規格が策定されることにより、新たな使用者はロボットに関する専門的な知識を持たずとも一定の性能を満たした機種を安心して選択することが可能となる。また、使用者が重視する性能や求められる基準が規格により明確化されることで、メーカーにおいて一層、使用者ニーズに合致したロボットの開発が促されることが期待される。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。