コネクテッドロボティクスが「惣菜盛付ロボット」4台をマックスバリュの惣菜工場に導入 ポテトサラダ盛付けデモを公開 ロボットフレンドリー

「食産業をロボティクスで革新する」をミッションとするコネクテッドロボティクス株式会社は、経済産業省が推進する「ロボットフレンドリーな環境の実現」にあたり組成された予算事業「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択された日本惣菜協会より協力企業として選定され、同事業に参画している。複数のユーザー7社とベンダー8社がタッグを組んだ研究開発を通して、長年実現できなかった惣菜の盛付工程を自動化する「惣菜盛付ロボット」を4台現場導入したことを発表した。

コネクテッドロボティクスの惣菜盛り付けロボット。今まで難しいとされてきた、粘り気のあるポテトサラダやマカロニサラダを定量で盛り付けることができる

経済産業省は3月29日、「ロボットフレンドリーな環境」の実現に向けて、官民一体で「惣菜盛付ロボットや製造工程最適化のためのシステム」への取組みを報道関係者向けに発表し、そこでコネクテッドロボティクスのロボットのデモを公開した。関連記事「経産省が惣菜製造現場に「ロボットフレンドリー」導入を促進 惣菜盛付け現場にロボットと量子技術を正式導入、デモも公開

マックスバリュ東海の惣菜工場に導入された様子(3基)。今後、4基めが導入されるという

重さをはかるセンサーを使って、定量のポテトサラダをすくい上げる(ビジョンは使用していない)

ボテトサラダを収容するケースに盛り付ける

盛り付けたポテトサラダはベルコンベアへ

■ポテトサラダを上手に盛り付けるロボットのデモ


惣菜業界初、製造工場への「惣菜盛付ロボット」導入の実現

コネクテッドロボティクスは「高度なロボット制御の技術」と「ディープラーニングを活用したセンシングと学習技術」の組み合わせで、これまでロボットではできなかった工程を自動化し、「食産業で働く人と食べる人の両方に喜びを提供するロボットサービス」の開発を進めてきた。現在、たこ焼き、ソフトクリーム、そば、フライドポテトなど複数の食材で実店舗でのロボット導入実績を持つ唯一の企業として、ロボットのハンドリングに関するソフトウェアとハードウェアそれぞれに強みと専門性をもっている。

「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」では惣菜業界初の「惣菜盛付ロボット」の開発を、Team Cross FAのメンバー企業であるFAプロダクツ、オフィスエフエイ・コム、日本サポートシステムの協力の下で進め、マックスバリュ東海の惣菜製造工場に4台導入した。


惣菜盛付ロボットは決められた重量の食材や具材をつかんで、製品トレイに盛り付ける作業工程を自動化することができ、惣菜製造工場の大幅な建て替えなどを行わずに、既存の製造工程ラインに導入することが可能。


惣菜盛付ロボットの特徴


1.定量を掴んで均一に盛り付け
食品コンテナの惣菜を指定されたグラム数で掴んで、製品用トレイに盛り付けることが可能。例えばポテトサラダの中サイズの場合、1パックあたりの重量は100g〜115gとしてされており、その所定の重量以内に盛り付けることができる。ファミリー向けの大サイズや一人暮らし向けの小サイズなどサイズ違いの盛り付けも、タッチパネルで指定して変更することができる。

2.高速動作で盛り付けが可能
既存の製造工程ラインのスピードに対応させて、スピーディーに惣菜を生産することが可能。ポテトサラダであれば、惣菜盛付ロボット1台で1人分の作業を行うことができる。同社のロボットは一般的な惣菜製造工場の1ラインに4台セットすることができ、現状は1時間で1000食分の生産を行う事が可能。

3.1台のロボットで複数品種の惣菜に対応
ロボット1台で複数品種の惣菜盛り付けの対応が可能。例えば、粘着性の高いポテトサラダやクリーミーなマカロニサラダなど、食材が変わっても品種と重量指定をするだけで切り替えを行う事ができる。また、多品種製造の現場に対応すべく、食材に合わせた掴み方やロボットの動かし方で食材の余りが発生しにくいシステムを提供する。

4.迅速な段取り替えができる
製造工程を担当する現場の作業者でも、スピーディーな段取り替えが可能。惣菜盛付工程では商品の切り替えが多いことから段取り作業を急ぐ必要がある。それに対応するため簡単に商品選択ができるアプリを用意。また、迅速に段取り替えができるようにハンドの着脱が簡単にできるように工夫している。また、惣菜を入れた食品コンテナやハンドは取り外して洗うことができるので、製造工程を清潔に保つことができる。


事業への参画背景

惣菜・お弁当などの中食の盛り付け工程は自動化の難易度が高く、その工程の大半を人手で行っている。一方で、昨今の人手不足への対応、労働生産性向上への要求、工場における三密(密閉・密集・密接)回避のためには、作業工程の自動化が求められている。しかし、柔軟・不定形の食品を迅速に盛り付けることはロボットにとって極めて難易度の高い作業であり、その実現を目指すとなれば高度な技術を活用した高価格なものとなってしまうため、現場実装が進まない。そこで、ロボットにとって盛り付けしやすい方法や、掴みやすい包装容器の在り方等、ロボットを導入しやすい環境、言わばロボフレな環境を構築することが必要であることから、2021年9月より日本惣菜協会が代表となって取りまとめる同事業に参画。「惣菜盛付ロボット」の現場導入及び実用化を目指して共同開発を進めてきた。

コネクテッドロボティクスは同事業への参加を通じて、食産業におけるロボット実装モデルを各ロボット企業や各ユーザー企業と検討・試行し、ロボフレ環境構築の推進に貢献していく。



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ロボスタ編集部

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