【先端技術×伝統工芸技術】 パーソナルモビリティ『RODEM』漆塗り特別モデル「佐藤喜代松商店」とコラボ

株式会社テムザックはかねてより開発を進めているパーソナルモビリティ「RODEM」(ロデム)に株式会社佐藤喜代松商店による漆塗り蒔絵加工を施した「RODEM」漆塗り特別モデルを製作したことを発表した。


先端技術×伝統工芸 コラボレーションの経緯

テムザックは2000年に福岡で創業したロボットメーカー。2016年に先端研究を行う研究所を京都・西陣に開所したことをきっかけに、2021年には本店を京都に移転した。西陣に研究所を構える中で、京都の伝統工芸技術を身近に触れ、ロボットとのコラボレーションができないかと考えていた。その時、京都市から提案を受け、京都の老舗漆企業「佐藤喜代松商店」と協業し、漆塗り加工を施したRODEM漆塗り特別モデルの開発に至った。

RODEM漆塗りモデル


パーソナルモビリティ「RODEM」と漆塗り特別モデルの特徴

RODEM(ロデム)はどんな人も境界なく移動を楽しめる、真のバリアフリーを実現するユニバーサルデザインのパーソナルモビリティ。走行時の目線が高く、歩行者と同じ目線で会話をすることが可能なため、RODEMに乗ったまま観光、カウンターでのやり取りなどを行うことができる。

RODEM漆塗りモデル利用シーン

「RODEM」漆塗り特別モデルは漆塗り蒔絵加工を施した特別仕様。黒あるいは朱色の漆と、金箔、螺鈿(アワビ)、金蒔絵を組み合わせている。今回使用している漆『黎明』は、株式会社佐藤喜代松商店と地方独立行政法人の京都市産業技術研究所が共同で開発した新たな精製方法である薄膜旋回分散法を用いた新規分散生漆で、これまでにない高い光沢感・透明感のある美しい漆となっている。

RODEM漆塗り特別モデル(朱)

RODEM漆塗り特別モデル(黒)

RODEM漆塗り特別モデル「朱」(左)と「黒」(右)のスペック


大正10年創業の佐藤喜代松商店

佐藤喜代松商店は大正時代から漆のよさと可能性を追求しつづける「漆のスペシャリスト」。初代の佐藤喜代松氏が大正10年に創業、以来100年にわたってさまざまな分野で使用される漆の取り扱いを行ってきた。京都にはたくさんの伝統工芸が息づいているが、今も漆は多くの伝統工芸で必需品となっている。佐藤喜代松商店はこの漆に関する伝統的な技術やノウハウに加え、科学的アプローチによる漆の評価・研究を行うことにより、さらに用途が広がる現代にふさわしい漆製品を開発している。




パーソナルモビリティ「RODEM」今後の展開

テムザックはRODEMのようなモビリティに観光案内、多言語翻訳、経路案内などのアプリケーションを搭載し、街中でシェアリングすることで、駅や駐車場から目的地までのラストワンマイルの移動、過疎地域の交通手段、観光地での移動+α(観光、買い物、エンターテイメント)等として活用することを目指している。全国各地で公道実証実験や自動運転化研究、荷物の配送への応用研究などを進めてきたが、今後は実証実験ではなく事業モデルとして、京都から世界へ展開していきたいと考えている。


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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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