日本電信電話株式会社(以下、NTT)は最新のR&D成果を一般公開するイベント「オープンハウス2022」(事前登録不要)を2022年6月2日(木)午前12時からオンラインにて開催することを発表した。
同イベントはNTT コミュニケーション科学基礎研究所(以下、NTT CS研)が主催するもの。NTT CS研では人と人のみならず、人とコンピュータとの間の「こころまで伝わる」コミュニケーションの実現をめざし、基礎理論の構築と革新技術の創出に取り組み、IOWNの実現を推進している。人と人との物理的な距離が遠くならざるを得ない時代だからこそ、コミュニケーションの本質を究めることは重要。そのような基礎研究の最新の成果として、モバイルセンシングを活用したパーソナル心臓モデリングとその応用や、バーチャルリアリティ(VR)を用いることで明らかとなってきた投球の「ノビ(ボールが浮き上がる錯覚)」による脳情報処理メカニズムなど合計29件を紹介する。
所長講演
6月2日(木) 13:00-13:30
変化する現在(いま)に適応し、持続する未来(あす)を切り拓くコミュニケーション科学
~人・社会・環境との調和と共生をもたらす技術の創出~
コミュニケーション科学基礎研究所 所長 納谷 太 氏
招待講演+パネルディスカッション
6月2日(木) 13:40-15:10
コミュニケーション行動から探る動物の心
帝京大学 先端総合研究機構 教授 岡ノ谷 一夫 氏
研究講演
6月3日(金) 11:00-11:40
あなたの心臓をデジタル化
~モバイルセンシングを活用したパーソナル心臓モデリングとその応用~
NTTはIOWN構想のもと、デジタルツインコンピューティングの実現に向け、さまざまな研究開発に取り組んでいる。生体情報を計測し、その人のその時々の心身の状態と働きをコンピュータ上に写し取る”バイオデジタルツイン”と呼ぶ試みもその一つ。同研究を推進するために開発した、心臓に関する生体情報の計測技術と計測した情報を活用するための新たな情報処理技術を紹介し、疾病の早期発見や回復のためのリハビリテーションへの応用の可能性を説明する。
6月2日(木) 15:30-16:10
あなたの声を「すぐそば」品質で聴くAI
~遠くからでも近接マイク品質で混ざった音を聞き分ける革新的音響処理技術~
6月3日(金) 13:00-13:40
デジタルツインでモビリティ群を賢く制御する
~分散深層学習がもたらす未来の可能性~
6月3日(金) 14:00-14:40
数学はどこから来たのか 数学はどう進むのか 数学はどこへ行くのか
~対称性を駆使した解析学と幾何学的手法による整数論の未解決問題と量子計算への挑戦~
研究展示
○ユーザに平等かつ混雑しないインフラをめざして
~組合せ混雑ゲームの均衡最適化~
各ユーザが自由に経路やリンクの組合せを選択しても、結果的に混雑せずにユーザのコストが低くなるような、最適な社会デザインを効率よく求める手法を開発した。
○ノビのある速球は錯覚?
~VRで投球の質感を操作する~
投手の投球の質は球速や軌道などのボールの物理的特徴量だけでなく、「ノビ(ボールが浮き上がる錯覚)」といった打者の主観で評価されることがある。同研究ではバーチャルリアリティ(VR)を用いて「ノビ」の脳情報処理メカニズムを調べた。
○なぜ人は接触確認アプリの利用をためらうのか
~COCOAの普及に影響を与える社会的要因~
新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」は感染症拡大防止対策の一つとして期待されている。利用者への社会的影響や利用者の行動、意向などを調査した結果、アプリの普及に努めるだけでなく、人々の利用に対する不安解消の重要性が明らかになった。
特設サイトでは特設Webサイト上で動画と展示パネルを掲載、リアルタイムに質問できる仕組みも用意し、当研究所の最新の研究成果が紹介される。また、同イベントでは移動体からの景色や周辺情報に基づく雑談を行う対話AIや交通全体の最適状態を予測・制御する分散深層学習技術も紹介される。
NTTが信号機のないモビリティ社会を実現する「分散深層学習技術」を公開 デジタルツインで少し先の未来を予測 IOWNの実現へ
AI「おしゃれな雰囲気のカフェだなぁ♪」【世界初】景色や位置情報に応じて雑談する対話AIをNTTが開発 運転時のAIパートナーを提案
「オープンハウス2022」
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。