南紀白浜エアポート、日本電気(以下、NEC)、凸版印刷、マクニカ、日本航空(以下、JAL)は和歌山県の南紀白浜空港において、MR(Mixed Reality、複合現実)技術やローカル5Gを活用して仮想空間にあるデジタルコンテンツと滑走路などの現実空間を融合させた「MR空港体験」の実証実験を2022年6月14日から開始することを発表した。また、8月には一般の人を対象とした体験会も行う。参加方法は7月中旬にNECのWEBサイトにて公開予定。
MR技術やローカル5Gを活用した「MR空港体験」
「MR空港体験」はMRグラスを装着した家族や友人など複数の参加者が一緒に仮想空間上の飛行機へペイントを施し、そのペイントしたオリジナル飛行機が実際の滑走路に実寸大のサイズで着陸する様子を実際の滑走路脇の場周道路で見ることができるサービス。これらの体験はMR技術や大容量・低遅延でリアルタイム伝送が可能なローカル5Gを活用することにより、臨場感あふれるサービスとして実現する。
南紀白浜空港では現在、南紀白浜空港バックヤードツアーとして場周道路からの航空機の離発着見学など、普段は立ち入りができない空港の裏側を巡る非日常の体験ツアーを実施している。ツアーのさらなる拡充と空港を楽しむ新たな体験コンテンツとして、MR技術やローカル5Gを活用した「MR空港体験」を追加し、2023年度以降の常設サービス化を目指していく。
「MR空港体験」特徴1.みんなで作るオリジナル飛行機ペイント体験
MRグラスを装着した参加者達の目の前に1/4.2スケールの3D飛行機が現れ、飛行機の形を感じながらクレヨンやスプレーなどを使って自由に機体にペイントを施す。参加者それぞれのペイントした情報がローカル5Gを介して低遅延で同期することにより、お互いのペイントの様子がリアルタイムに確認できるため、参加者全員で協力しながら1つのオリジナル飛行機作りを楽しむことができる。
また、MRグラスをかけていない見学者もターミナルビル内のディスプレイから、参加者が飛行機にペイントする様子を見学できる。これにより、作成する過程のワクワク感を参加者とともに見学者にも共有することができる。
「MR空港体験」特徴2.3Dフライトレーダーで飛行状況を俯瞰して観賞
ペイント体験後、実際の飛行機の離発着地である羽田空港から南紀白浜空港までの地形を3D化したフライトレーダーがMRグラスを装着した参加者達の目の前に出現し、羽田空港を出発したオリジナル飛行機が映し出される。南紀白浜空港までの飛行の様子や日本上空を運航しているオリジナル飛行機を確認できる。また、富士山など日本列島上の有名スポットを探して解説を見るなど、様々な楽しみ方が可能。
「MR空港体験」特徴3.実際の滑走路を利用した本物さながらの着陸見学
参加者は場周道路に移動後、MRグラスを装着するとペイントを施したオリジナル飛行機が上空に現れ、実寸大の飛行機が実際の滑走路に着陸する迫力の様子を見学できる。ターミナルビル内から場周道路へは自動運転車両に乗車して移動する(8月のみ実施)。自動運転車両の活用によって、今後見込まれるドライバーなどの人材確保の課題解決や運用コスト低減に貢献する。
【実証の役割分担】
南紀白浜エアポート | 実証環境提供、サービス運営 |
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NEC | ローカル5GとMECシステム構築 |
凸版印刷 | MR体験コンテンツの開発 |
マクニカ | 自動運転車両提供、環境構築 |
JAL | デジタルコンテンツ(ロゴ)提供、JALふるさと応援隊による支援
・JALふるさと応援隊とは |
今後の展開
今後5社は実証で得られた結果をもとに2023年度以降のサービス提供に向け、運用方法・サービス内容を検討していく。さらなる体験価値や期待感を醸成することで空港の魅力向上を図り、南紀白浜空港への訪問者増加に取り組んでいくとともに、MR技術を活用したペイント体験を南紀白浜エリアの周辺施設、観光資源に広げることで地域の観光事業の促進に貢献していく。さらに空港を起点とした地域振興に貢献するサービスとして、他地域への展開を目指していく。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。