日本科学未来館で「Mirai can NOW」(ミライキャンナウ)がはじまった。研究開発の「いま」を見せる新シリーズとして企画された。
少しコンセプトは解りづらいが、「Mirai can NOW」(ミライキャンナウ)は未来を考える「入り口」として、「Life (ライフ)」「Society (ソサイエティ)」「Earth (アース)」「Frontier (フロンティア)」の4つのテーマを設定。それぞれの研究開発の最先端トピックについて触れて、感じて、体験できる趣向となっている。
そして、その第1弾が「Society」をテーマに、移動や対話ができるロボットや自由な発想から生まれたロボット技術を体験できる「空想⇔実装 ロボットと描く私たちの未来」だ。展示期間は、2022年7月8日(金)から8月31日(水)までとなっている。
ソファー型の移動ロボット「poimo」(ポイモ)
会場に入って、まず目を引くのはソファー型の移動ロボットの「poimo」(ポイモ)。パーソナルモビリティとソフトロボティクスの技術を組み合わた、人が持ち運べるくらい軽く、やわらかく安全で、どこでも乗り降り可能な新しい電動モビリティだ。
ビーチで使うエアマットのようなソファーに駆動機構が付いていて、操縦桿で操作して移動できる。操作コントローラは車体の膝掛けや自分の太股に設置したり、膝の上で操作するなど、自由に設置することができる。
さまざまな形状アイディアが実現できるため、想像してみると楽しい。柔らかいバイクのようなものも可能性としてはある。今回の展示でも、来館者が実際に体験してみて、未来の柔らかいクルマはどんなカタチだったら面白いだろう?とあれこれ考えてみることは、大人・子どもにかかわらず、貴重な体験になるだろう。
空気で膨らむ構造なので、車体が軽くて丈夫、柔らかいことが特徴。筆者も試乗体験したが、操縦は簡単、はじめは少し戸惑うけれど5~10mも走れば慣れて楽しくなってくる。
■柔らかいソファ型の次世代モビリティ、簡単な操作でとても楽しい
期間中、午前と午後に整理券が配布され、実際に乗って体験できる。
poimo公式サイト(東京大学)
■公式動画
■公式動画
トヨタの「e-パレット」コンセプトも展示
会場には他にも、トヨタ自動車が開発中の自動運転対応バスを展示。東京五輪2020の選手村で実用化されていたものだ。残念ながら静態展示。実際に乗ってみたかった。
監視センター連携制御の自動運転と、手動運転に対応している。運転席と操縦システムは折りたたみ式になっている。
トヨタの「e-パレット」コンセプトに準ずる仕様で、社内はバスだけでなく、カフェやバー、医療室、各種ショップに換装できる。
このほか、まるで旅行代理店での接客担当者のように観光案内をしてくれる対話ロボットなど、企業や大学で研究開発中のロボット技術が公開されている。
日本科学未来館
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。