宇宙ロボットスタートアップGITAIは米国民間宇宙企業Nanoracks社・NASAと共同で、2023年にISS(国際宇宙ステーション)のBishopエアロック船外でGITAI宇宙船外用自律ロボットによる技術実証を行うことを発表した。
GITAIが実施するISS船外実証の概要
GITAIは2021年にISS(国際宇宙ステーション)船内での技術実証を全て成功させた。次の挑戦として2023年に米国民間宇宙企業Nanoracks社と共同で、ISS(国際宇宙ステーション)Bishopエアロック船外(宇宙船外環境)でGITAI宇宙船外用自律ロボットによる技術実証を行う。
2023年の技術実証ではISS(国際宇宙ステーション)Bishopエアロックモジュール船外(宇宙船外環境)にGITAIの1.5m級双腕自律ロボットアームを設置し、宇宙空間での保守・組立・製造作業を自律制御にて遂行する。
GITAIの宇宙船外用自律ロボットは既に今年2月にJAXAの8m級熱真空チャンバー内での技術実証に成功しており、NASAの技術成熟度レベルであるTRL(Technology readiness levels)におけるLevel 6(地上でのシステムとしての技術成立性の確認)を達成している。今回の技術実証により、TRL Level 7(宇宙空間でのシステムとしての技術成立性の確認)の達成を目指す。また、技術実証を通して培う宇宙空間での保守・組立・製造能力を米国民間宇宙ステーション・軌道上サービス提供企業向けに提供していく。
宇宙ロボットスタートアップ「GITAI」
GITAIは宇宙に安価で安全な作業手段を提供することを目指す宇宙ロボットスタートアップ。2040年に世界的な宇宙ロケット開発企業と対等なパートナーとして、月や火星に都市を建設したり宇宙コロニーを建設する安価で安全な労働力を提供することを目指している。同社は昨年成功したISS船内実証や2023年に予定しているISS船外実証等、野心的な宇宙技術実証にも積極的に挑戦し続ける一方で、宇宙技術実証で獲得した技術を基に、トヨタ自動車株式会社との共同開発や経済産業省からの受注等、様々な顧客のミッションで求められる宇宙ロボットの開発も進めている。また、今年3月にはGITAIの米国法人であるGITAI USA Inc.が米国ロサンゼルスに新オフィスを開設し、米国での採用を本格化する等、米国での事業活動や米国政府機関・民間企業との連携も積極的に行っている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。