「そもそも疼痛(痛み)とは”感覚”なのでしょうか?」モデレーターをつとめる東京大学名誉教授の板生清氏の問いかけから始まった。痛みの科学を研究し、医師でもある名古屋大学の平田教授が答える。「疼痛を感覚だと思ってはいけません」。
「ハプティクス」(力触覚)が生み出す未来
最新研究の現場では「ハプティクス」(力触覚)が注目されている。ロボットやVR、メタバース、ゲームや遠隔診療など、要素技術として活用されることが期待される。一方で「ハプティクス」には、まだまだ解らないことが多く、今後、どのような研究を行い、どのように進化していくべきか、議論の的となることも多い。
「触覚と疼痛」「意識と無意識」「知覚と認知」
「触覚と疼痛」「意識と無意識」「知覚と認知」について議論しましょう‥理化学研究所の下田真吾氏の呼びかけで、触覚や疼痛をテーマとしてNEDOやAMED、ムーンショットなどのプロジェクトで代表者として活躍する方々を中心に8名が集まった。
日本ロボット学会(RSJ)は、この座談会を「日本ロボット学会誌40巻8号」の特集「触覚と疼痛、意識と無意識、知覚と認知-遠隔触診の実現を通して探る新たな知性-」を掲載した。そして、誌面の都合でカットした部分も含めた長編版をウェブ「ロボ學」に連載として掲載した。著者はロボスタの神崎洋治。
触覚とは、疼痛とは何か? 意識と無意識の違いは? それらは最新技術にどのように反映されていくべきか。人間の行動から考える理想のロボット像とは?
各プロジェクトチームや組織の代表者による座談会の議論から、読み手自身が考え、考察する機会となるに違いない。お見逃しなく。
座談会「触覚と疼痛、意識と無意識、知覚と認知~「環境」と「意識」をつなぐパラダイム~」
連載(1):https://robogaku.jp/news/2022/jrsj-4008-001.html
「触覚」・「疼痛」とは何か
触覚伝送デバイスの登場
身体性メディアとしての触覚とは? ほか
連載(2):https://robogaku.jp/news/2022/jrsj-4008-002.html
無意識と意識の知性
アバターロボットの意識と無意識の科学
触覚・疼痛、遠隔操作に必要な次世代AIとは
身体拡張と無意識の知性とAI
連載(3):https://robogaku.jp/news/2022/jrsj-4008-003.html
触覚が注目されている理由
触覚は情動を直接動かす
働き方改革やQOLに触覚を活用
要素還元研究の重要性
座談会参加メンバー
■モデレーター
板生清先生
(東京大学名誉教授 特定非営利活動法人「ウェアラブル環境情報ネット推進機構」理事長)
■パネリスト
下田真吾先生
(国立研究開発法人理化学研究所 トヨタ連携センター 知能行動制御連携ユニット ユニットリーダー)
平田仁先生
(名古屋大学予防早期医療創成センター 教授、名古屋大学大学院医学系研究科 機能構築医学専攻 人間拡張・手の外科学講座 教授、医学博士)
南澤孝太先生
(慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 教授・博士(情報理工学))
藤原武史氏
(豊田合成株式会社 ライフソリューション事業本部 主監(e-Rubber・ヘルスケア)
外村雅治氏
(NEDO 「人工知能活用による革新的リモート技術開発」 プロジェクトマネージャー)
駒澤真人氏
(WINフロンティア株式会社 取締役)
神崎洋治氏
(ロボットスタート株式会社 ロボスタ編集部)
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