アクセンチュア ALBERTの買収に向けた公開買付けが成立 データとAIを活用した企業変革に導くサービスを強化

アクセンチュア株式会社は株式会社ALBERT(アルベルト)の公開買付けが成立し、同社を買収することを発表した。多数のデータサイエンティストを擁するALBERTを迎えることで、アクセンチュアはデータおよび人工知能(AI)を活用したユーザーの変革支援をさらに加速する。

なお、2022年9月30日から11月14日まで行われた公開買付け期間中に応募された株券等の数が買付予定数の下限である3分の2を大きく超えたため、手続きの完了によってALBERTはアクセンチュアの子会社となる。また、アクセンチュアは今後数か月以内にALBERTの全株式の取得を目的とした手続きの実行を予定し、所定の手続きを経てALBERTは上場廃止となる。


データ主導型経営への変革で日本の成長力と競争力を向上

ALBERTはビッグデータ解析、AI(人工知能)アルゴリズム開発、AI活用コンサルティングやデータサイエンティスト育成支援などのサービスを大手企業を中心とした顧客に提供している。同社は2005年に設立され、2015年に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)へ上場した。今後、ALBERTが有するデータサイエンスを専門とする社員および支援チームメンバーを合わせた約250名は、アクセンチュアのAIグループが担う顧客をデータ主導型経営へ導くサービスの提供に加わる。

世界の先進企業は今後10年のうちに、デジタル技術、データ、AIを活用して、革新的なビジネスモデルや成長機会の創出、新たな働き方や顧客との関わりなど、抜本的な変革に向けた動きを加速する。アクセンチュアではこの世界の趨勢を踏まえ、すでにデータ主導型の企業経営を支えるさまざまなサービスを構築している。例えば、さまざまな経営指標を可視化し、AIによる目標達成予測と、それに基づく対策シミュレーションを提示して意思決定の高度化を図るソリューションを展開している。また、ESG(環境・社会・企業統治)の取り組みが企業価値にもたらすインパクトを分析・予測し、成長につながる施策を提示するソリューションなど、幅広い分野でAIの実装を進めている。

今後アクセンチュアでは企業活動で生み出されるあらゆるデータを捕捉し、企業そのものをデジタル上で再現して、データに基づく経営を実現するサービスを強化する。このためにはAIやデータ分析に精通したデータサイエンティストのさらなる活躍が不可欠。ALBERTの参画によってユーザーのデータ主導型経営への変革がさらに加速され、ひいては日本の産業競争力の強化につなげる。

アクセンチュア株式会社 代表取締役社長 江川 昌史氏は次のように述べている。

「現在の経営者には財務領域のみならず、サステナビリティの取り組みや、顧客体験の再定義、人材育成や再教育など非財務領域も含めた360°の視点を持った経営が求められます。複雑性を増す企業経営においては、データを徹底的に活用し将来を予測し、意思決定の精度とスピードを高めることが欠かせません。ALBERTが持つ卓越したデータ分析力とAI活用領域における知見と経験がアクセンチュアに加わることで、お客様は不確実な時代においても成果につながる変革へ踏み出すことが可能になります」

株式会社ALBERT代表取締役社長 松本 壮志氏は次のように述べている。

「ALBERTは創業以来、分析力をコアに据え、データサイエンスで世界をつなぎ、より良い未来のために新たな価値を共創するという理念のもとに成長を遂げてまいりました。現在は人工知能(AI)投資が旺盛な各産業のリーディングカンパニーから当社コアテクノロジーに対するニーズが拡大しています。お客様の本質的な課題解決力に長けたアクセンチュアのグループに加わることで当社の提供価値がさらに増幅され、AIの社会実装が加速されると考えています」

アクセンチュアでは全世界でAI活用力の強化図っている。他国の事例ではオーストラリアのAnalytics8、フランスのSentelis、インドのBridgei2iとByte Prophecy、スペインのPragsis Bidoop、英国のMudano、米国のClarity Insights、End-to-End AnalyticsやCore Competeなどの企業を傘下に加えている。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム