介護付き老人ホームにケアサポーターロボットの新型「ugo mini」を追加導入 静音性とコンパクト、低価格が特長

業務DXロボットの開発を手掛けるugo株式会社(ユーゴー)は、株式会社ツクイが運営する介護付有料老人ホームに、ケアサポーターロボットとして「ugo Pro」に加えて「ugo mini」を追加導入し、ロボットによる高齢者向けサービスの拡充を目指すことを発表した。

コンパクトで低価格なプロダクト『ugo mini』

『ugo mini』は、セキュリティルームや、開閉が困難な扉の部屋など、ロボットが入れない空間に常駐させることをコンセプトに開発。また、ホテルや介護施設などの静音性が求められる現場にも適した走行性能も実現している。従来のugoシリーズに比べ、よりコンパクトで低価格なプロダクトを目指す。


介護スタッフの採用難や業務負荷対策に

日本の高齢化に伴い、介護ニーズが増大している現在、介護スタッフの採用難や業務負荷は深刻な課題となっており、省人化対策が急務となっている。このような状況を解決するソリューションとして、ロボット技術の活用が期待されている。

ユーゴーは、2022年6月より「ugo Pro」(冒頭の写真左)を用いた介護施設での運用を開始。「ugo Pro」が業務を行っている介護付有料老人ホームでは、導入当初は入居者からロボットに対する否定的な反応をされるのではないかとの懸念もあったが、「ugo Pro」のキャラクターから好感が得られ、入居者による投票によって「のげまる」という愛称を得て親しまれているという。

高性能な「ugo Pro」だが、業務によっては「ugo mini」の方が適切なケースがある


「ugo Pro」で得た成果

主に実証実験では、1.「お声がけ」、2.「傾聴」、3.「案内」、4.「見回り」の4つの業務を行った。このなかで、1.「お声がけ」2.「傾聴」3.「案内」は、「ugo Pro」にて業務遂行できることを十分に確認できたという。


アバターロボットの主な業務

・食事や入浴の時間に事前にルート設定した道のりを自動走行して居室前で声かけをし、エレベーターのボタン操作などをして、入居者様を目的地へ誘導
・入居者様への声かけ・誘導を行った際に、アバターロボットに内蔵されているカメラを通して、遠隔操作しているスタッフが入居者様の様子を確認
・移動の途中で出会った入居者様にご挨拶や、愛らしい表情でお客様とコミュニケーション


「見回り」は「ugo mini」の静音性を評価

一方、4.「見回り」については、夜間走行時に走行音が入居者の睡眠の妨げになる可能性が確認され、ロボットの静音化が必要となった。そのため「ugo Pro」では業務遂行が難しいという判断になった。

上記を踏まえ、「静音性」「小型化」「低コスト化」を実現した「ugo mini」を追加導入することになった。「ugo mini」は上記の4つの業務全てを行いながら、運搬業務など幅広い業務ができるよう実証実験を重ねていくとしている。


障がい者スタッフによる遠隔操作も視野に

また、ロボットの遠隔操作可能な仕組みを活用し、ツクイの特例子会社である株式会社Grasolの障がい者スタッフが、自宅にいながら遠隔対応を担当し働ける仕組みの構築も成果が確認されたため、継続して運用を行う予定とのこと。

今後、ugoは「ugo mini」を活用した高齢者向けサービスの更なる展開を行う予定。技術と介護の力を結集し、高齢者がより快適で安全な生活を送れるよう、引き続き取り組んでいく考えだ。

関連サイト
株式会社ツクイ

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