アクセンチュアとGoogle Cloudが連携を拡大 サイバーレジリエンス強化 Google Cloudのセキュリティ向けジェネレーティブAIを活用

アクセンチュアとGoogle Cloudは、企業が保有する重要な資産の保護や巧妙化するサイバー脅威へのセキュリティ強化を支援するため、グローバル規模でパートナーシップを拡大することを発表した。

両社は今後、レジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)を備えたセキュリティプログラムの構築やその信用の維持に必要となるテクノロジー、高い信頼性を備えたインフラ、セキュリティに関する専門知識を提供しあう。

なお、両社は2018年にパートナーシップを締結して以来、Google Cloudが有するデータアナリティクス、人工知能(AI)、機械学習(ML)、サイバーセキュリティなどの先端テクノロジーを活用することで、世界的な企業がデジタルコアを強化し、ビジネスを根本的に改善することを共同で支援している。




今後注力する取り組みについて

両社は、今後以下の内容について取り組んでいく予定だ。

1. Google Cloud のセキュリティ向けジェネレーティブAIを活用し、アクセンチュアの新たなマネージド型の攻撃検知・対応サービス(MxDRサービス)の強化を図ります。本サービスは、一般的なセキュリティのテクノロジープラットフォームや各種クラウドとの統合が可能だ。
1. アクセンチュアとMandiantがそれぞれ有する知見やサービスを集約し、危機管理、インシデント対応、脅威インテリジェンスのサービスを共同で提供する。
1. 単一のクラウドやマルチクラウドのアーキテクチャで事業を展開している企業に対して、首尾一貫したサイバーセキュリティのサービスを提供する。




各社代表からのコメント

アクセンチュア セキュリティをグローバルで統括するPaolo Dal Cin(パオロ・ダル・シン)氏、Google Cloud でクラウドセキュリティのゼネラルマネジャー兼バイスプレジデントを務めるSunil Potti(スニル・ポッティ)氏、IDCのリサーチ部門でバイスプレジデントを務めるCraig Robinson(クレイグ・ロビンソン)氏の3名のコメントは以下の通りだ。

Accenture Security Global Lead. Senior Managing Director Paolo Dal Cin(パオロ・ダル・シン)氏

企業が急速な変革を遂げる中、信頼性を担保しながら成長するためには、サイバーレジリエンスをデジタル化の大前提として位置付けることが必要です。アクセンチュアとGoogle Cloud、Mandiantは、昨今のサイバー脅威の状況において、お客様が必要とするサイバーレジリエンスを構築できるよう、各社の豊富な専門知識やテクノロジーを結集してまいります。アクセンチュアの統合型サイバーセキュリティサービスにジェネレーティブAIが組み込まれたことにより、企業はかつてない規模の俊敏性と有効性を備えた新次元のサイバーレジリエンスを実現することが可能になります

Google Cloud General Manager and Vice President Sunil Potti(スニル・ポッティ)氏

アクセンチュアと Google Cloud は、最先端のセキュリティテクノロジーと世界有数のセキュリティ専門家の知見を融合させることで、企業のセキュリティ体制の刷新を図るという共通ビジョンを持っています。アクセンチュアの新たなMxDRサービスには、Chronicleの世界トップクラスのセキュリティオペレーション、Mandiantの最先端の脅威インテリジェンス、および新たなセキュリティ向けジェネレーティブAIの機能が組み込まれています。これにより企業は、極めて巧妙なサイバー攻撃でさえも防御できるようになります

IDC Research Vice President Craig Robinson(クレイグ・ロビンソン)氏

Google Cloud とアクセンチュアは、企業が優れたセキュリティの成果を生み出すために、グローバル規模でテクノロジーとセキュリティ運用に関する双方の知見を組み 合わせています。今回のパートナーシップ拡大により、アクセンチュアのセキュリティ専門家は、Google Cloud の高度なセキュリティツールやジェネレーティブAIなどの幅広いポートフォリオを活用できるようになりました。これにより企業は、広範にわたる組織を安全に保護するための一貫したセキュリティプログラムを構築することが可能になります




レンドリース社のグローバル事業におけるセキュリティを支援

オーストラリアの不動産大手レンドリースは、Google Cloud の Chronicle Security Operations を活用したアクセンチュアのMxDRサービスを採用し、次世代の脅威検知・対応を実現した。アクセンチュアは、レンドリース社のクラウドファースト戦略を推進するため、同社のワークロードをGoogle Cloudに移行し、ソフトウエアプラットフォーム「Podium Property Insights」などのコア機能をアップグレードするなど、ITインフラの刷新を支援している。また、インシデント対応、脆弱性管理、インフラやアプリケーションのセキュリティ保護を含む、24時間365日体制のセキュリティサービスを提供している。レンドリース・デジタルの最高経営責任者(CEO)であるWilliam Ruh(ウィリアム・ルー)氏は次のように述べている。

レンドリース・デジタル CEO William Ruh(ウィリアム・ルー)氏

グローバル規模で変化するサイバーリスクに柔軟に対応することは、世界中でコミュニティや地域の相互連携を推進しているレンドリースにとって極めて重要です。今回のパートナーシップ拡大により、レンドリースは、OT(運用・制御技術)を含むセキュリティ運用の簡素化を図り、透明性を備えた柔軟なサービスを迅速かつ大規模に提供してまいります




両社のサービス×テクノロジーの融合

アクセンチュアは、Google Cloud とのパートナーシップの一環として、以下の領域で新たな機能やテクノロジーを統合することで、適応型の攻撃検知・対応サービスやMxDRサービスの強化を図るとのことだ。

Chronicle Security Operations

アクセンチュアのMxDRサービスは、Chronicleのプラットフォームを利用し、企業のセキュリティ部門がより適切にサイバー脅威を検知・調査・対応できるようにするものだ。同サービスにより、企業は、自社で生成されるネットワークやセキュリティに関する膨大な量のテレメトリデータ(使用状況データ)を取り込んで検索し、ほぼリアルタイムでセキュリティリスクや脆弱性を分析することが可能になる。

Mandiant Threat Intelligence

アクセンチュアのMxDRサービスには、サイバーインテリジェンス機能が組み込まれており、今後、Mandiantの実用的かつ最先端の脅威インテリジェンスも組み込まれる予定だ。Mandiantは、セキュリティ最前線の状況や脅威インテリジェンスにほぼリアルタイムでアクセスすることで、巧妙化するサイバー攻撃への調査や対応を24時間体制で行っている。

Google Cloud のセキュリティ向けジェネレーティブAI

アクセンチュアは、Google が開発した業界初の拡張型プラットフォーム「Google Cloud Security AI Workbench」を初めて採用した企業だ。同プラットフォームには、セキュリティに特化した大規模言語モデル(LLM)であるSec-PaLMが搭載されており、Google が有する脅威状況の可視化技術や、Mandiantが有する脆弱性やマルウエア、脅威指標などに関する最前線の情報が組み込まれている。アクセンチュアは、同プラットフォームにジェネレーティブAIを組み込むことで、セキュリティインシデントの検出・分析・対応に費やす時間を大幅に短縮させ、インシデントの影響を軽減させることを目指している。

地域や業界に合わせたカスタマイズ

両社は、ターンキーソリューション(カスタマイズ不要ですぐに利用可能なソリューション)では対応できない複雑な環境で事業を展開している企業向けに、個別にカスタマイズしたセキュリティプログラムの構築や運用の支援を行っている。特に、広範な攻撃対象エリアや大量の資産を保護する必要があるグローバル企業や、データの保管場所や主権に関して地域の法規制を遵守する必要がある企業に最適なサービスだ。

マネージド型の危機・インシデント対応

アクセンチュアのセキュリティ専門家は、Mandiantのサイバー脅威専門家と緊密に連携し、企業のビジネス資産やハイブリッドな労働環境の全体にわたって、高いサイバーレジリエンスを備えた防御体制の構築を支援する。

アクセンチュア独自のテクノロジーアクセラレータ

アクセンチュアのセキュリティサービスには、独自のテクノロジーや直感的なユーザーエクスペリエンスが組み込まれています。これにより、企業は脅威の検出・対応の能力を高め、脆弱性の修正に必要な時間と労力を削減することができる。


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