新型Amazon「Echo Auto」実機レビュー クルマでも「Alexa」進化を感じる第2世代、開封・設置・用途をレポート

Amazonが「Echo Auto」の第2世代を2023年5月18日に発売した。スリムなデザインに、5つのマイクアレイを搭載し、充電アダプタに急速充電ポートを搭載するなど、デバイスの性能と利便性の両面で進化している。

Alexaに話しかけて、ドライブのBGMやオーディオブックをスマホを通じてカーステレオで楽しんだり、目的地までの所要時間を聞いたり、この後の天気を聞いたり…快適でスマートなドライブを支援してくれるデバイスだ。
初期のバージョンとは異なり「今日の天気は?」と、聞くと走行中の地域の予報をちゃんと返してくれるようになった(※)。商品の価格は7,980円(税込)。早速使ってみた。(最新のAmazonでの「Echo Auto」価格情報)

マグネット付きの粘着カーマウントが付属されていて、小型のマイクモジュール部分だけをコンソール等に簡単に設置できる(マイクモジュールのサイズ 52mm x 23.2mm x 15.3mm)。マイクアレイの指向性も考えて、ドライバー方向に向けて設置した

公式ホームページより引用。「Echo Auto」はスマホと組み合わせて使用する。著者は「Echo Auto」とスマホとカーステをBluetoothで接続、「Echo Auto」のAlexaに発話して指示した内容が、スマホやその通信機能で情報を得て、Alexaの応答ま音声やBGM、オーディオブックなどはカーステレオのスピーカーから聴くことができる


開封の儀と、各パーツ・各部の名称

早速、開封の儀をおこないながら、「Echo Auto」の特長をおさらいしておこう。

「Echo Auto」の外箱の表と裏

「Echo Auto」は、自動車に設置し、スマートフォンとBluetoothで接続し、運転中にハンズフリーでAlexaを利用できるデバイス(カーアクセサリー)だ。そのため基本的には「家庭でEchoシリーズを活用していて、クルマでもEchoやAlexaを使いたい」というユーザーにオススメの商品だ。

開封時の同梱物。

公式サイトより。マイクモジュールをコンソールなどに設置する。車載電源アダプタが付属していて、シガーソケットに挿し込んで電源供給できる。車載電源アダプタにはポートが2つ搭載されていて、「Echo Auto」用のケーブルをUSB-Aコネクタに接続し、その他にUSB-Cポートがあり、スマホ等の充電用に使用できる。なお、筆者はカーステにBluetooth接続しているので、「Echo Auto」のスピーカーユニットは実質使っていない

マイクモジュールをコンソールに設置するが、マグネット付きの粘着カーマウントが付属されているので簡単

両面テープ付きのカーマウント

両面テープでコンソールに貼り、マイクモジュールとはマグネットでピタッと吸いつく仕様

なお、エアコンなどの送風口に設置するための「Echo Autoエアベントマウント」も別売(980円)されている。取り付ける場所に困ったら検討してみると良いだろう

マイクモジュールの機能とサイズ

■Echo Auto(第2世代)を取り付ける

■Echo Auto(第2世代)のBluetooth接続に関するトラブルシューティング

セットアップの手順 (公式サイトより)


Alexaは運転中に音声で操作できるのでクルマと愛称がいい

Alexaは音声インタフェースなので、基本的に運転中に音声で操作できるのはクルマととても愛称がいいと言える。例えば、Alexaに話しかけて、「Amazon Music」や「Apple Music」「Spotify」でBGMを聞いたり、「Radiko」やポッドキャストを楽しむのも良い。筆者は実はもっぱらAudibleでオーディオブック(朗読)を楽しんでいる。もちろん連絡帳に登録している家族や友人に電話をかけたりすることも発話でOKだ。


筆者と同様の使い方をするのであれば、まずは最初にカーステ(カーナビ)とスマホをBluetoothで接続して、スマホの音楽をカーステで聴けるようにセッティングしておく。その後で、スマホのAlexaアプリを使って(Alexaアプリをインストールしていない人はまずそれをおこなってから)、Echo Autoとスマホ(Alexaアプリ)をBluetoothで接続すると、Echo Autoとスマホとカーステがすべて繋がる。


スマホの通信量に注意

ただ、注意したいのは、自宅EchoをWi-Fiで使っている人は、車の中では4Gや5Gなどのケータイ(スマホ)通信を使う。使い方によっては思いのほか、通信を多用する可能性もある。スマホが使い放題や通信容量タップリなプランに加入していれば問題ないが、「毎月カツカツで」と言うユーザーは注意が必要だ。


設定や使い勝手の評価はユーザー次第

不親切な表現のようだが、設定や使い勝手の評価はユーザー次第だ・・というのも、カーステは愛車によってそれぞれ状況が異なったり、Echo Autoを設置する場所がなかったりと、クルマによって環境が変わるので、簡単なケースもあれば面倒なケースもある。また、筆者は元から車載のカーナビ(カーステ)のCDやHDDは使わず、カーステとスマホをBluetoothで繋ぎ、スマホにダウンロードしたSpotifyの楽曲をカーステで聴いている。カーナビも地図が古いので使用せず、スマホのマップを使用している。そういったことから、普段からスマホはカーステ(カーナビ)にBluetoothで接続されていて、操作はほぼスマホでおこなっているため、その環境に慣れている。そのため今回も、「Echo Auto」をスマホにBluetooth接続するだけで、Alexaで指示した内容がスマホとカーステを通じてすぐに使えて、非常に簡単だった。

そういった理由で、日頃からカーステとBluetoothとの接続やスマホとの連携などに使い慣れていないユーザーは、設置や設定、しくみなどの理解に少し手間取るかもしれない。


なお、天気を聞くときは場所を指定しなくとも、現在、走行している地域の天気を答えてくれるようになった(※)。コンパクトになって、設定が簡単、マイク感度も向上していること等、順当に進化していると実感した。
もちろん車内でAlexaとジェネレーティブAIな会話ができるともっと良いけれど、それはさておき、通信容量を少しだけ気にしながらBGMを聴いたり、Audibleを楽しんだり、目的地までの所要時間をたずねたりと、Alexaとのドライブもなかなか楽しい。

■Amazon Echo Auto (第2世代)を設置して質問してみた




「Echo Auto」(第2世代)の主な特長

正直いって、「Echo Auto」(第1世代)では不満な点も多かったが、第2世代ではかなり改善が見られる。主な特長は次の通り。

5つのマイクによる声の聞き取り
車内の音響特性を考慮して設計された5つのマイクを搭載し、カーオーディオからの音楽、エアコンの音、ロードノイズなどで騒々しい車の中でも、Alexaがドライバーの声を聞き取ることができる。ただ、設置場所はドライバーの近くの方が認識性が高いのは言うまでもない。

本体デザインを一新
「Echo Auto」は、よりコンパクトでスリムなデザインになった。付属の粘着カーマウントにより、多くの車のダッシュボードに柔軟に設置することができる点もうれしい。

急速充電ポート搭載のアダプタが付属
付属の車載電源アダプタが付属している。いわゆるシガーソケットに装着してケーブル接続するタイプだ。「Echo Auto」の接続だけでなく、スマートフォンの充電ができるQuick Charge 3.0対応の充電ポートが搭載されているのでうれしい。長時間のドライブでも、スマートフォンのバッテリーを気にすることなく安心して利用できる。

車から自宅のスマートホームを操作
Echo Autoは、運転中でもAlexaに話しかけて、自宅のAlexa対応のスマートホーム製品を操作することもできます。玄関の鍵の閉め忘れやエアコンの消し忘れが心配になったときでも、車から安心して対応ができる(対応のスマートホーム製品を使っていれば…だけど)。また、帰宅途中に車内のEcho Autoからエアコンを操作して、帰宅時には部屋を快適な温度にしておくこともできる(対応エアコンの場合)。

プライバシーに配慮した設計
Echoデバイスは、何重ものプライバシー保護対策を用いて設計されているという。マイクのオン/オフボタンや音声録音の削除機能の提供など、ユーザーにはAlexaの利用における透明性やコントロールが確保されている。詳しくはAmazonのホームページで確認しよう。( https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=6971545051

※印の情報が間違っていたので修正しました。(6/25)
> 続編へ続く「続・新型Amazon「Echo Auto」実機レビュー 走行中に「Echo Auto」をどう使うと便利? ドライブで検証してみた

ABOUT THE AUTHOR / 

神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

PR

連載・コラム