大阪王将は、2023年10月1日にリニューアルオープンした東京・品川区にある大阪王将西五反田店にTechMagicの新開発調理ロボット『I-Robo』をテスト導入した。
今回のテスト導入により、街中華として今までなかった“新しい食体験”を提供するとしている。
街中華の限界
街中華の厨房は、焼場・麺場・揚場と3つのポジションから構成されている。限られたスペースでなるべくスムーズに早く調理を行い出来立ての料理を提供できるよう、繁忙時間帯は特に提供メニューの工夫をしているのが一般的だ。ランチメニューや定食メニューでは、“逸品料理+白米+付け合わせの揚げ物”といったセットが主流となっているのは、この理由によるもの。例えば「レバニラとチャーハンのセット」、「回鍋肉定食に麻婆豆腐を付け合わせる」など、中華鍋で調理を行う料理を複数、タイミングをあわせて提供することは難しいのが現実。
「お客様が食べたいと思っていらっしゃるものを、お待たせすることなくご提供したい」。この想いから、TechMagicとともに大阪王将流にカスタマイズした調理ロボ『I-Robo』の開発が始まった。
大阪王将の職人技術を完全コピー
大阪王将には、調理の速さとクオリティを1級から3級までの3つのレベルで審査する調理検定試験制度があり、そのうちの調理1級は全国でたった17名しかいない。
今回の協働では、調理1級を持つ熟練職人の鍋さばきを、様々な角度から半年間研究。彼らと変わらないクオリティを安定して提供できるように、加熱温度、加熱時間、鍋の回転スピード、回転方向まで細かく調整し、『I-Robo』への完全コピー化が実現した。
お客様へ新たな価値をご提供できるお店に
2023年10月1日にリニューアルオープンする大阪王将西五反田店には『I-Robo』を3台設置。
『I-Robo』が調理を行うメインメニューは定食。“逸品料理+炒飯”や“炒め物の逸品料理+炒め物の逸品料理”といった組み合わせも用意する。
また、大阪王将初となるカスタマイズメニュー『自分盛り炒め』が登場。『肉野菜炒め』は大阪王将で人気のメニューの一つですが、お肉や野菜の種類、味付け・ボリュームなどを好みに合わせて選ぶことができるようになり、自分だけの中華を食べられる楽しみを提供するとしている。
『I-Robo』では、約60種類ある大阪王将の定番メニューの中から、まずは約20品の調理を行い、今後は、メニューのバリエーションを増やしながら安定供給を目指す。
調理ロボ導入は社会課題の解決に
大阪王将は、調理ロボ導入は人手不足の解消にもつながるとしている。
職人の育成には時間がかかり、また街中華は特に、“重たい”“熱い”中華鍋を使った調理は重労働だ。その重労働の中華鍋を使った調理をロボット化することで、男女の隔たりなく、また外国人、障碍者、シニア採用も積極的に行うことができるように、開かれた雇用につながるとのこと。
大阪王将NEXT・職人と調理ロボの融合
テスト導入が行われる『I-Robo』にも再現できないメニューが一大阪王将の『ふわとろ天津飯』。卵のふわとろ感、火の通り具合の調整、丸い仕上がり。大阪王将では、職人の技術を調理ロボが再現するだけではなく、調理ロボと職人がそれぞれの良さを出し、今までになかったワクワクするような食体験を提供していく。
また今後、大阪王将の職人育成において検定内容の見直しやレベルの細分化、ロボ調理導入店舗においては、アプリと連動させて、前回の注文や、味の好み、野菜のカスタマイズなどお客様情報を記録していくなども構想しており、単なる人手不足解消のためのロボットではなく、大阪王将が大切にする“幸せな食シーン”をさらに広げていくことを目指し、さらに改良を続ける。
なお、調理ロボテスト導入実施期間などは、現在調整中。
大阪王将 代表取締役社長 植月剛氏 コメント
株式会社大阪王将 代表取締役社長 植月剛 氏
現在の外食産業を取り巻く様々な経営課題を解決し、さらにワクワクするような食体験を提供したい。そんな思いの実現を模索したときに、TechMagic様との出会いがありました。私たちが目指すのは、職人の技術を調理ロボが再現するだけではなく、その先にある調理ロボだからできる食体験を創造していく事です。TechMagic様とともに新たな外食の価値を提供し続けたいと思います。
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