桑名市・三菱電機・三重交通・KDDIなど9者、自動運転レベル4の実現に向けた公道での実証実験を実施

三重県桑名市、三重交通、長島観光開発、アイサンテクノロジー、A-Drive、ティアフォー、三菱電機、損害保険ジャパン、KDDIの9者は、国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転実証調査事業)に事業提案し採択されたため、将来的な自動運転レベル4を活用した移動サービスの実現に向けた実証実験を実施すると発表した。

自動運転を活用して「持続可能な移動サービス」構築へ

桑名市では、少子・高齢化に伴う運転手不足への対応、慢性的な交通渋滞の緩和、交通に起因する環境負荷の低減といった地域交通を取り巻く課題を抱えており、市内の交通空白地を解消しつつ、安全かつ円滑で持続可能な地域公共交通手段を確保していくため、これまで自動運転の実用化に向けた取り組みを実施してきた。

また、国においては政府目標としてレベル4自動運転に向けて、多様なエリアで、多様な車両を用いた無人自動運転サービスを2025年度までに50カ所以上、2027年度までに100カ所以上で実現させるためのマイルストーンを定めて、着実にステップを進展させている。

こうした中、桑名市はこれまでの実証実験で構築した官民・地域の連携体制を活用し、将来的に自動運転技術を活用した持続可能な移動サービスを構築することを目的とした事業計画を国に提案したところ採択されたとしている。

事業概要

1:事業実施の目的

■観光都市における自動運転サービスの社会実装に向けた技術・運用・事業性検討・確立
・公道における“高精度3次元地図やGNSS等の各種センサーを活用した自律走行”技術実証
・EV小型バスレベル4を念頭に入れた特定自動運行における運用体制の実証・確立
・運行管制システムによる異なる自動運転車両間の乗り継ぎ運用実証
・既存交通サービスと次世代モビリティサービスを組み合わせた事業性の確立
・市内公共交通への自動運転サービス実装により、市民の外出機会向上・行動範囲拡充

■観光都市における自動運転サービスの社会受容性の確立
・自動運転サービスを活用した観光施設へのアクセス・利便性向上による経済効果の検証
・自動運転サービス活用による交通渋滞緩和の可能性の追求
・観光資源としての自動運転サービス展開による社会受容性評価
・自動運転サービスと既存公共交通・観光送迎サービスとの効率的運用方式の検討

2:運行時期

車両のチューニングを目的とした準備運行を含め、2023年11月下旬から12月下旬にかけて実施予定

3:走行ルート


■公道ルート
・対象路線:ナガシマスパーランド~なばなの里
・走行距離:15km(往復)
・自動運転SAEレベル:レベル2(原則、自動運転(必要に応じて手動操作))

■駐車場ルート
・対象路線:ナガシマスパーランド駐車場内
・走行距離:2km(往復)
・自動運転SAEレベル:レベル2(原則、自動運転(必要に応じて手動操作))

4:車両


■公道ルート
・Minibus(ティアフォー製自動運転EVバス)

■駐車場ルート
・GSM8(自動運転小型EVバス)

実証実験の特徴


運行状況の正確な把握や効率的な車両運行を目指し、三菱電機株式会社が提供する運行管制システムにて車両の配車・運行管理を実施する。また、誰でも利用しやすい固定型デマンド端末を設置し、利用者の乗車申込を受付、運行管制システムから自動運転車両へ自動で運行指示を行う。

さらに、社会実装を見据え、三重交通株式会社にて、運行管制システムを利用し、遠隔から運行状況を監視することで、安全運行に寄与するとのこと。

事業実施体制



ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム