モーションリブ株式会社は、衛星通信サービスStarlinkと同社のリアルハプティクスによる遠隔操作ソリューションを連携することで「感触の伝わる遠隔作業」を可能とする技術の開発に成功し、提供を開始した。
建築土木、農業、林業などのインターネット網を構築しにくい屋外の環境下でも遠隔作業に活用できる。
なお、「リアルハプティクス」は慶應義塾大学で発明された、人の力加減や物の感触を正確に遠隔地に伝送できる制御技術で、モーションリブの登録商標。
■Real-Haptics technology by MOTION LIB
協働ロボット用感触伝送遠隔操作ユニット
モーションリブは、危険作業の遠隔化による安全な就労や、身体障害などで移動に制限がある方も自由な就労/生き方ができる世界を目指し、「協働ロボット用感触伝送遠隔操作ユニット(URH)」をはじめとした、リアルハプティクスによる遠隔操作ソリューションを提供してきた。
今回、モーションリブは衛星通信サービスStarlinkを利用して、屋外やルーラルエリアといったインターネットが整備されていない環境下でも「感触の伝わる遠隔作業」を可能とする技術の開発に成功。Starlink通信環境の屋外拠点と光通信回線の屋内拠点間において各拠点の協働ロボット同士を遠隔操作し、土木作業や農作業を模した実証実験を行い、良好に作業ができることを確認した。
インターネットがない環境でも力触覚対応のロボットを遠隔操作可能に
これまで、遠隔地にリアルな感触を伝送するためには、5Gや高速インターネット通信網と言った整備されたインターネット網を必要としてきましたが、今回開発された技術を用いることで、インターネット網の構築に課題を持つ環境においても繊細な感触を伝送し、操作者が移動することなく遠隔地のロボットを操作して様々な作業を行うことができる。
また、この技術は協働ロボットのみならず、建設機械、農業機械や産業用装置など様々な装置への応用が可能であり、建築/土木または農業といった、現場でのインターネット網の構築が難しい業界での利用が期待される。
CEATECに出展
モーションリブは、最新バージョンの「URH」を「CEATEC 2023」に出展する。感触がリアルに伝わる遠隔操作を体験できるという。
場所:幕張メッセ スタートアップ&ユニバーシティエリア ブース番号:S026
CEATEC来場事前登録:https://www.ceatec.com/ja/ から登録可能。
同社は「今後も「世界に、やさしいチカラを。」を合言葉に、機械やロボットがやさしい力で人の生活に溶け込み、必要なときに適切な力加減をそっと提供できるような社会を、リアルハプティクスの技術を通じて実現して参ります」とコメントしている。
モーションリブとは
モーションリブは、機械が力触覚を自在にコントロールするために必要なリアルハプティクスについて、機械への実装を可能にするための研究開発から、キーデバイスである「AbcCore®︎」の製造販売まで行う慶應義塾大学発ベンチャー企業。
「AbcCore」は力センサや特殊なモータなどを必要とせず、市販のモータを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現する点に技術的優位性をもっています。この「AbcCore」は、すでに80社ほどの企業に先行提供されており、共同研究や、実用化が始まっています。
同社は、共同研究を行う「ソリューション事業」、「AbcCore」やその他製品を提供する「デバイス事業」、技術を提供する「ライセンス事業」の3つの事業を柱に、お客様の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築。モーションリブでは、リアルハプティクスの実⽤化をさらに加速するために、共同研究企業の募集を積極的に行っている。
■市販の協働ロボットによる力触覚伝送を有する遠隔操作
レース場のレーサーに障がい者が力触覚ロボットで花束贈呈&握手 遠隔から「リアルハプティクス」で新体験
慶應大「リアルハプティクスでロボットが進化する」オープンセミナーをオンライン開催 無意識的な動作と力触覚
市販の協働ロボットに双方向の力触覚を追加できる汎用力触覚IC「AbcCore」 慶應大発ベンチャーのモーションリブが開発
カメラで触覚を知覚できる「視触覚センサー」 複数メーカーのロボットアームで使える通信インタフェースを実装 FingerVision
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モーションリブ株式会社