TISは、TISのマルチロボットプラットフォーム「RoboticBase」とロボットとの接続APIを2024年3月21日から公開した。
「RoboticBase」はサービスロボットをインテグレーションするための統合管理機能を提供するソフトウェア。運搬、清掃、案内、警備など種類の違うサービスロボットやセンサー、カメラ、サイネージなどのIoTデバイスを統合管理する基本機能を備え、施設管理や企業システム、外部データとの連携などを実現する。
「RoboticBase」のAPI公開により、さまざまなサービスロボットが、多様なサービスプラットフォームと時間・制約にとらわれることなく「RoboticBase」のAPIを介して連携できる環境が実現できる。これにより、現在さまざまな産業や業態に広がっているサービスロボットの活用および普及の可能性を更に広げることを、TISでは期待している。
背景
世界的な労働力不足や人件費の高騰に加え、非接触や遠隔ニーズの高まりを背景にサービスロボット市場は拡大しつつある。また、サービスロボットの高度かつ安全な活用環境を提供することや、各ロボットとエレベーターやセキュリティドア、ゲート、電子錠扉等との設備連携や複数ロボット制御等の活用価値向上のために、サービスロボットの統合管理(プラットフォーム)の接続ニーズが高まっている。
しかし、現状ではサービスロボットは個別の接続対応が中心で、ロボットメーカ側、およびサービスプラットフォーム側の双方にコスト的、技術的な負担がかかっており、サービスロボット同士のスムーズな連携ができてない点が課題となっている。今後サービスロボットの普及を加速させるためには、その連携を実現するためのプラットフォームへの接続の容易性、汎用性、高付加価値性が求められる。
そこでTISでは、サービスロボットの社会実装を推進し、今後のサービスロボット普及の一要素であるプラットフォームとの接続性の容易性、汎用性、高付加価値性向上を実現するため、ロボットとの接続IF(API)を公開した。
「RoboticBase」のAPI公開におけるメリット
「RoboticBase」のAPIを公開することで、期待できるメリットは以下の通り。
1:互換性・コスト削減
異なるプラットフォームでも、相互接続が可能になります。「RoboticBase」は、各サービスプラットフォームの連携ハブとして機能します。これにより各ロボットメーカは、従来個々の接続に必要だった時間とコストを削減でき、より容易に導入が可能になる。
2:品質保証
「RoboticBase」とエレべータやセキュリティドア、ゲート、電子錠等の各設備との連携は、RFA(ロボットフレンドリー施設推進機構)に準拠したIFによってその品質が保証されている。また、RFAに準拠していない設備とも「RoboticBase」を介して接続が可能なため、ロボットメーカとしては、設備側のIF仕様を意識することなく連携が可能となる。
3:効率的なロボット運用
「RoboticBase」のIFを利用することで、ロボットが直接設備との接続をする場合と比べて、各設備とのインターフェース(シーケンス)を意識する必要がないため、開発運用効率が大幅に上がる。
4:技術的な進歩
RFAを含め、今後定められていく各サービスプラットフォームとの標準インターフェースにも適応を進める。これにより汎用的に優れた技術や手法が広く共有され、新たな開発や進歩を促進する。
公開するAPI
・標準API仕様(エレベータ連携)
以下のAPIについても順次公開予定。
・標準API仕様(セキュリティドア連携)
・標準API仕様(群管理)
・業務API仕様(配送、清掃、警備、案内)
今後について
TISではAPIを使用した設備連携のシミュレ―ションサービスの提供を予定している。また、TISのラボ環境を提供して各ロボットメーカのロボットと設備連携(エレベータ、セキュリティゲートとの接続)を行い、PoCを低コストで対応できる環境を提供する予定とのことだ。
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