FIXERは、エンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer」に、NTTが開発したLLM(大規模言語モデル)「tsuzumi」を搭載した新サービス「tsuzumi on GaiXer」を、NTTコミュニケーションズのソリューションサービスとして2024年4月より提供開始予定であることを明らかにした。
「tsuzumi」でより高い品質の日本語生成機会を提供
「tsuzumi」は、NTTの長年にわたる自然言語処理技術の研究成果を基に開発されたLLMであり、高い日本語の自然言語処理能力を持ちつつ、軽量かつ低消費電力で動作することが特徴。
これまでGaiXerは、Azure OpenAI ServiceによるGPT-3.5、GPT-4 TurboやAmazon BedrockによるLlama 2、Claude3等のLLMを提供してきたが、この度、国産の商用大規模LLMであるtsuzumiを搭載したことにより、日本の生成AIユーザーに対して、より高い品質の日本語生成の機会を提供できるとFIXERは述べており、「tsuzumi on GaiXer」により、企業や自治体は、文書作成の効率化、高品質なカスタマーサポートなど、多岐にわたる業務において高い付加価値を実現することが可能になるとしている。
「tsuzumi on GaiXer」が提供する機能
・FIXER独自のRAG(Retrieval Augmented Generation)により、インターネット上の検索エンジンとtsuzumiが連携。最新情報に基づく文書生成を実現。
・GaiXerのプロンプト(指示文)生成機能により、プロンプトエンジニアリングが不要となり、tsuzumiへの適切なクエリ(処理要求)の生成を自動化。
・GaiXerの学習データ追加機能により、独自データをもとにtsuzumiが文書を生成可能に。
・Azure Expert MSPとしてのFIXERの運用により、今後の政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)や新たなクラウドセキュリティ制度への対応を含む、高いセキュリティ基準を確保。
「tsuzumi on GaiXer」の問い合わせ
問い合わせについては、「tsuzumi on GaiXer」をソリューションサービスとして提供するNTTコミュニケーションズが受け付けるとしており、サービスの詳細や価格情報等については、FIXERのウェブサイトおよびプレスリリースを通じて随時案内される。
エンタープライズ向け生成型AIサービス 「GaiXer (ガイザー)」について
GaiXerはChatGPT等に代表される生成AI技術を活用した行政・企業向けサービス。日々進化する大規模言語モデル(LLM)をメニューから選択して実行、結果を比較することで最適なモデルを選択できることが特徴で、Azure OpenAI Servicesを軸に開発し、データ保護機能、アクセス制御機能を通じ安全に利用できるセキュリティを備えている。
業種別のテンプレートを活用したプロンプト作成支援や、ファイル、Webサイト、社内マニュアルの学習に基づく高品質な回答生成が可能で、対話形式でプロンプトが生成できるテンプレート機能もあり、利用初日から高い生成品質を得ることが可能。加えて、クラウド上の様々なサービスと結合することで、カスタマーサポート支援や文書作成業務の効率化など、さまざまな分野での活用を可能としている。
NTT版LLM「tsuzumi」について
「tsuzumi」は日本電信電話株式会社が研究開発を行っている大規模言語モデル。英語と日本語に対応し、1GPUやCPUでの推論動作を実現。更に、視覚や聴覚といったモーダルに対応し、特定の業界や企業組織に特化したチューニングが可能となっている。NTTグループでは「tsuzumi」を用いた商用サービスを2024年3月に開始した。