ドコモ、NTT、NEC、富士通が世界最高クラスのサブテラヘルツ帯無線デバイスを開発、100Gbpsの超高速伝送を実現

ドコモ、NTT、NEC、富士通の4社は、100GHz帯および300GHz帯のサブテラヘルツ帯に対応した世界最高クラスの無線デバイスを共同で開発し、100GHz帯および300GHz帯において100Gbpsの超高速伝送を実現したことを明らかにした。

サブテラヘルツ帯の無線通信は未知の領域への挑戦

6G時代のネットワークの活用として、メタバースや自動運転などさまざまなユースケースが考えられており、その増大する通信需要に応えるためには、広い帯域が利用可能なサブテラヘルツ帯(100GHz~300GHzの周波数帯)を活用した大容量の無線通信が期待されている。

サブテラヘルツ帯は、現状の5Gで使用されているミリ波帯(28GHz帯など)に比べ非常に高い周波数帯であるため、無線通信の基本要素である通信用ハードウェア(無線デバイス)の開発から行う必要がある。

このような新規の無線デバイスを開発するためには、移動通信システムへの応用を前提としたデバイスの要求性能の明確化や、要求性能をサブテラヘルツ帯で達成するための新規デバイス開発など多岐にわたる課題がある。

100GHz帯・300GHz帯で100Gbpsの超高速伝送を実証

これらの課題に対応すべく、2021年から4社は共同して6G時代の大容量無線通信の実現をめざしたサブテラヘルツ帯無線デバイスの研究開発を進め、このたび共同開発した無線デバイスを用いて100GHz帯、および300GHz帯において無線伝送実験を行い、見通し内の伝送距離100mにおいて100Gbpsの超高速伝送を実証した。

これは、現在提供している5Gネットワークの送信時最速4.9Gbpsに対し約20倍の高速化に相当する。
















本研究開発における各社の役割と具体的成果

ドコモ

100GHz帯の移動通信適用における無線システム構成や要求性能の検討を行い、伝送速度100Gbps相当で100m無線伝送が可能な無線システムを実現。

NTT

300GHz帯無線装置、および、そのキーデバイスである広帯域ミキサの研究開発を行い、300GHz帯において従来実現されていない、チャネルあたり伝送速度100Gbpsの100m無線伝送が可能な無線装置を実現。

NEC

100GHz帯の移動通信環境を想定した無線通信システム構成技術の検討を行い、100素子超から成る多素子アクティブフェーズドアレーアンテナ(Active Phased Array Antenna : APAA)を実現。

富士通

100GHz帯および300GHz帯の通信距離拡大および消費電力低減のため、高出力かつ高効率な信号増幅を可能とする化合物半導体技術の検討を行い、高出力アンプにおける世界最高の電力効率を実現。

今後について

今後も、4社は、サブテラヘルツ帯を移動通信で活用するために幅広い研究開発を行い、各社の強みを活かしたさまざまな取り組みを推進し、6Gに向けた世界的な標準化や実用化に貢献していくとしている。

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