ハクオウロボティクスは、東京ロジファクトリーの物流倉庫において、自動フォークリフト「AutoFork」による、荷物用エレベーターとの自動連携を実証を行った。
今回の実証実験では、「AutoFork」がエレベーターと連携し、エレベーターを呼び出し、パレットをエレベーター内に自動搬送。さらに、エレベーターが別のフロアへ移動後、別フロアの「AutoFork」がエレベーター内のパレットを自動取得できることを実証した。
Octa Roboticsのロボット連携システム「LCI」を採用
エレベーター連携にはOcta Roboticsが開発したロボット連携システム「LCI」を採用し、荷物用エレベーターと「AutoFork」との自動連携を実現している。(「LCI」はロボットと建物設備(エレベーター、自動ドア、セキュリティ)との連携を可能とし、ロボットが建物内を自由に移動できるシステム)
物流2024年問題の解決策として、自動フォークリフトによる倉庫内の自動化・効率化の実現が求められている。さらに、複数階の物件が多い物流倉庫では、エレベーターとの連携による縦方向の自動化・効率化も重要視されている。
今回の実証技術が実用化されることで、自動フォークリフトによるフロア内の横搬送とエレベーター連携機能による各フロア間の縦方向搬送の自動化・効率化が期待されている。
実証実験時の様子
実証実験の内容
「AutoFork」による以下の動作を実現した。
1:エレベーター連携によるパレット自動搬入作業
1.倉庫1階において、「AutoFork」が仮置き場のパレットを一括認識
2.「AutoFork」がエレベーター手前に到着後、「LCI」を介してエレベーターを呼び出し
3.パレットをエレベータ内へ自動搬入
4.パレットを搬入後、エレベーター2階への搬送を指令し、移動を完了
2:エレベーター連携によるパレット自動搬出作業
1.「AutoFork」が「LCI」を介してエレベーターが2階に到着したことを確認し、エレベーター手前に移動
2.エレベーターの戸開を確認し、パレットを自動搬出
3.倉庫2階の指定ゾーンにパレットを自動搬送
4.全てのパレットを搬出後、戸閉指令を出し、作業を完了
技術の特徴
物流倉庫のエレベーターは荷物の輸送を目的とし、積載量が大きいことが特徴です。今回の実験では積載荷重4tの荷物用エレベーターにて実験を行った。
エレベータの制御盤にはOcta Robotics製 「LCI Box」が接続されており、同社のクラウドサービス「Octa Link」を介して、4G回線を使って自動フォークリフト「AutoFork」と通信する。このシステムを利用して「AutoFork」は、エレベーターの呼び出し、ドアの開閉状態の確認、荷物の積み降ろし、他階層へのエレベーターの移動を自動で実行する。
重量物を積載してエレベーター内へ進入する際には、エレベーターが倉庫の床面より沈み込む現象が発生する。これによりエレベーターの”かご”自体が揺れるとともに、出入口に段差が生じます。「AutoFork」は、独自の制御技術によりそのような状況でも安定して搬送作業を行なうことができる。
実証実験時の動画
今後の展望
ハクオウロボティクスは、エレベーター連携機能の実用化を目指すと共に、その他物流設備とロボットとの連携の取り組みを強化していくとしている。
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