離島の玄関口に「観光案内おもてなしロボット」を導入 遠隔操作で観光案内サービスを効率化 時短勤務やリモートワークも可能に

新上五島町観光物産協会は、島の主要港ターミナルに遠隔操作ロボット設置し、ロボットを活用した観光案内サービスの実証実験を2024年10月1日より開始した。遠隔操作が可能なロボットで、観光地の魅力を伝えるとともに、観光案内サービスの効率化の両立を目指す。


五島列島の観光人気が向上、しかし観光案内は慢性的な人材不足

長崎県五島列島の北部に位置し、7つの有人島と60の無人島から構成される新上五島町は、自然の美しさ、深い歴史的背景、独特の文化的伝統、そして豊かな食文化が融合し、旅先として人気が高まっている一方で、慢性的な人材不足という課題に直面しており、観光案内の質を保ちながら業務の効率化を図ることが急務となっている。

この課題に対応するため、年間約12,000件(令和5年度実績)の案内業務を担う港ターミナルの観光案内所に遠隔操作型の「おもてなしロボット」を導入し、観光案内サービスの効率化と魅力化の両立を目指した新たな取り組みをスタートした。



特長と期待される効果

島の主要港ターミナルである有川港ターミナルの観光案内所に設置されたロボットを、別の場所から遠隔操作して観光案内を行う。案内用モニターと組み合わせることで、利用客一人ひとりに最適な情報をわかりやすく提供でき、観光客の利便性と満足度向上を図るとしている。

導入イメージ

特筆すべき点は、AIを用いた自動応答システムではなく、人間が操作する遠隔操作ロボットを採用したこと。これにより、観光客は機械的な応答ではなく、人間ならではの柔軟性と温かみのある案内を受けることができ、従来の対面式案内所と遜色ない質の高いサービスが可能となる。


時短勤務やリモートワークなどの多様な勤務形態が可能に

地域が直面する課題である「人材不足の解消」という面でも効果が期待できる。スタッフは別の場所で他の業務を遂行しながら遠隔操作での対応が可能となるため、生産性の向上、業務の平準化と少人化が見込める。
さらに、時短勤務やリモートワークなどの多様な勤務形態が可能となるだけでなく、従来の勤務形態では難しかった障がいのある方や地理的制約のある方にも新たな雇用機会を提供できるようになるとしている。

機器/mini MORK 〈製造元:株式会社インディ・アソシエイツ〉

「おもてなしロボット」の導入により、観光客へのサービス向上はもとより、地域の課題解決に取り組むことで、地域全体の活性化につながることを目標にしている。

おもてなしロボット詳細
設置場所 有川港ターミナル 観光案内所
(長崎県南松浦郡新上五島町有川郷578-36)
応対時間 8:30~17:00(1月1日を除く通年)


ロボットの愛称も募集中

また、導入された「おもてなしロボット」の愛称を現在募集している。

募集内容 観光案内おもてなしロボットの愛称
(覚えやすく、親しみやすい、新上五島町のイメージが伝わるもの)
応募方法 グーグルフォームから応募
https://forms.gle/Q4h8ikQDTM1ci8zQA
募集期間 2024年10月1日(火)〜10月31日(木)
結果発表 2024年11月中旬
採用者には記念品を進呈


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ロボスタ編集部

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